凪いだ心に (ページ14)

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１３　発目side ページ14

昨日、テレビでステ…何とかと言う人が捕まったと報道していた。

No.2ヒーローのエンデヴァーが活躍したらしい。

正直、そう言う事には興味が無い。

私はベイビーを作れればそれでいいのです！！

それに、凪先輩が話してくれるし、態々知っておく必要も無い。

…そういえば。

最近、凪先輩は何かを吹っ切った様な顔をしている。

私が入学した直後は、瞳に少しだけ迷いがあったけど、今はそれが無く、何かを見据えた様な目になった。

何か…家族の事で何かあったのだろうか。

先生が、凪先輩は雄英のビッグ3の一人、波動ねじれ先輩の妹だと言っていた。
それで、自分を塞ぎ込んでいるとも。

最初は正直、そんな事か、と思った。

姉が有名だからと言うだけで落ち込んでいるのか、と。

でも、凪先輩と話してよく分かった。

そんな事で済まされる事では無いと。

そもそも、ねじれ先輩が強個性の持ち主なのに何故凪先輩はサポート科に居るのか。

それは、個性がねじれ先輩よりも弱いから。

何故、自分を塞ぎ込んでいて弱々しいのか。

「姉のねじれと同じ様に強個性じゃないか」
と、周りから勝手に期待され、勝手にガッカリされて、落ちこぼれだと言われたから。

それで、ねじれ先輩と話すのも気不味いらしい。

この話を凪先輩から聞いた時、私らしくもなく言葉が出なかった。

先輩がとても切なそうに、苦しそうに笑っていたから。

「発目ちゃんを見ていると元気が出てくるな」

と凪先輩が言っていた。

なら、私は私らしくしていよう。
それで凪先輩の気が少しでも晴れるなら、このままでいよう。
と決めた。

いつか、ねじれ先輩と面と向かって話せる時が来たら、文句でも言ってやろうと、必要ならば責めてでも凪先輩の辛さを、苦労を分らせてやろうと
まるで悪役の様な考え事をしながら。

「ただいま戻りましたー」

凪先輩が買い出しから帰ってきた。

心なしか微笑んでいる様にも見える。

その笑顔が壊れない様に、
私がずっと守っていよう。