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姉がお風呂から上がるとご飯を食べた。
その間、姉は私に体育祭の事を話していて、たまに笑いながらその話を聞いていた。
上手く笑えてたかは別として…。
＊
その日から暫く経った頃、
ヒーロー科の一年生が職場体験に行くと姉が話していた。
「発目ちゃん、ヒーロー科は職場体験なんだって」
「そうなんですか？まぁ私達にはそんなに関係ないですよね」
「そうだね」
発目ちゃんは興味無いと言う感じで言うが、本当はしっかりと聞いてくれている。
最初の頃はそれに気づかなくて度々落ち込んでいたものだ。
「凪先輩。此処、こうしたいんですけど…」
「あー…それはパワーローダー先生に聞いた方が良いかもしれないね」
雑談をしながら発目ちゃんの手伝いをする。
私は基本的にサポートに回っている。
足りない素材を買っておくとか、資料をまとめておくとか。
「フフフフフ…出来ました！私のドッ可愛いベイビー！！」
目をキラキラと輝かせてそう言う姿はまるで玩具を買ってもらった子供の様。
微笑みながらその姿を見ていると、発目ちゃんは不思
議そうな顔をして此方を見た。
「？どうしたんです凪先輩。まるで子供でも見てるかの様な顔して」
「…何でも無いよ」
発目ちゃんはエスパーか何かなのだろうか。
そんなこんなでその日の夜頃。
テレビではエンデヴァーが
スをやっていた。
「…ヒーロー殺しステイン…」
怖いな、と思いながら見ていると姉が慌てた様に駆け寄ってきて私に携帯を差し出してきた。
「ねぇ、凪！これ、今やってるニュースのステインって人の動画！」
画面を見てみると、ステインがヒーロー達に立ち向かっている映像と共に彼の歩んだ人生がテロップとして出ていた。
凄いな
と思ってしまった。
でも、敵と言えど彼の持つ信念は尊敬するに値すると思う。
ただ、その示し方を間違えたと言うだけで。
少なくとも私は、彼の行動力や考え方を羨ましいと思
った。
私にも、勇気や行動力があれば、もしかすれば今頃姉の隣に立てたかもしれないんだ。
そう考えたけれど、それを振り切った。
私は私の出来る事で姉の手助けをする。
今はまだ無理だけど、いつか、姉のコスチュームやサポートアイテムを任せられる様になるんだ。
隣でニュースを見て少しハラハラしている姉を見ながらそう決心した。
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作者名：枝豆 | 作成日時：2020年6月13日 0時
