オトナ ページ7
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俺の弟のことを知って、本気で心配してくれたのはお前くらいだよ。
唐突に、沈んでゆく夕日を眺めながらそらるさんはそう言った。
その思いは、彼の目が十分に語っていて、私は何も言うことができなかった。
どれだけ辛い思いをして、乗り越えてきたんだろう。
そう考えると、どうしようもないくらい 胸が痛くなった。
「あの日、ボロボロになって俺のところに来てくれたお前を、愛しいと思ったんだ」
「……そらるさん」
「……それで、上手くは言えないけど」
お前じゃないとダメだって、思ったんだよ。
胸が熱くなった。
こんなに、私のことを想ってくれていたなんて 知らなかった。
また泣きそうになる。
零れないように、上を向いた。
「……私」
そらるさんが好きだと思う。
藤咲さんといる所を見ると嫉妬してしまうし、ちょっとしたことですぐに赤くなってしまう。
事件のせいで変わってしまった性格も、優しさも、全部好きだと思う。
大人として欠落した部分も、何を考えているのか分からない瞳も、全部。
私はこんなに彼のことを知っている。
いい所も、悪いところも。
まだまだ少ないかもしれないけれど、前の私と比べれば大きな進歩だった。
……でも
彼は本当の私を知らない。女子高校生の、私を。
形は大人だけれど、心はまったくの子供で。どれだけ大人のフリをしても、所詮は16歳の女子高校生なのだ。
それに、彼の弟を殺したのは女子高校生。
私の本当の歳がバレたらきっと、彼は私を嫌いになってしまう。
打ち明けようとしたけれど、その言葉は喉までも届かず、ひっそりと宙に消えた。
「……どうした？」
「……いえ、なんでも」
私、そらるさんに似合うような 立派な大人になってみせます。
心、大人の心を、手に入れます。
だから……傍にいさせてください。
回された手も気にせずに、隣のそらるさんに抱きついた。
鼓動の音が、一緒に溶けてゆく。
体温が浸透するのが早くて、夕焼けのせいかと思った。
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天宮みんく(プロフ) - 夢さん» ありがとうございます……！励みになります(；＿；) (2018年3月1日 0時) (
レス) id: c59fc0c6df (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 全部読ませてもらいました。とても感動しました！みんくさんのペースでいいのでまた、更新されるのを待ってます！ (2018年2月28日 21時) (レス) id: 2704df8cf2 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー(プロフ) - 1の時から読んでましたー！更新待ってます！ (2017年11月10日 23時) (レス) id: 86df69332d (このIDを非表示/違反報告)
そのだ(プロフ) - カファット5さん» 貴方は何を思ってこの方を庇っているのですか？ (2017年9月11日 7時) (レス) id: 103f1e7372 (このIDを非表示/違反報告)
americasings(プロフ) - やっぱり民度の低い作者には民度の低い信者が付くんですね。誰とは言わないけど、著作権はどうでもいいとか抜かすあたりみんくさんそっくりですね。あとさっさと釈明したらどうです。またほとぼりが冷めた頃に戻るつもりなんでしょうけど、皆監視してますから。 (2017年9月10日 0時) (レス) id: fbd008e240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天宮みんく
| 作者ホームページ：@Tengu_Mink
作成日時：2017年8月16日 9時
