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オトナ ページ37

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見慣れた階段を上がって、左に曲がる。
家に入ろうとすると、横からガタンと音がした。

「だ、誰……?」
「……っごめん、僕」

誰かと思うと、少し焦った様子の歌詞さんがいた。
出かける途中だったのかな。
そう思って何気に近づく。

「歌詞さん」
「……A、今バイト終わり?」
「?……っはい」

どうしたんだろう。
歌詞さんはどこかぎこちなくて、目も合わせてくれなかった。

そらるさんの、事件のことを聞きたかったんだけれど、今日は無理そうだな。

真っ暗な街並みの中で、部屋の前のランプだけが 暖かく光っていた。

「……なら、いいんだ。ごめんね」
「いいえ……それより」

なんで私の目を見てくれないんですか?

少し悲しくなって、思わず聞いてしまった。
歌詞さん、こんなこと言われて困るよね。
すみません、やっぱりいいですと笑って、帰ろうとした。

「……嫉妬したんだ」
「え?」

顔を真っ赤にして、口元を手で覆う歌詞さん。

言葉の意味がよく分からなくて、聞き返した。
だって、歌詞さんが私に嫉妬する要因なんて……。

「……!」

考えを巡らせて、やっと気がついた。
さっきの、そらるさんの車のことだ。

あの車の前で、彼に手を握られていた時のことを言っているんだ。

「か、歌詞さん。あれは……」
「Aの、彼氏?」
「ちっ、違……」

違うんです、と飛びついた。
あまりにも反射的すぎて、そんなにもそらるさんとのことを 誤解されたくないのかと思った。

……歌詞さんも、そらるさんも、同じように大切だと 思っているから。

あんなに優しい歌詞さんと、何を考えているのか分からないそらるさんを、天秤にかけるなんておかしいことだと分かっているけれど。

「……ごめんね。Aにも色々あるのに、こんなこと言って」
「い、いえ……」

寂しそうに笑う彼に、酷く申し訳ないと思った。
これで私が大人だったら、歌詞さんを傷付けずに済んだかも知れないのに。

行き場のない葛藤を胸にしまい込みながら、歌詞さんと別れた。

……朝食べた柔らかいパンを、また食べたいと思った。







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設定タグ:そらる , 伊東歌詞太郎 , 歌い手   
作品ジャンル:恋愛
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そのだ(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/hp/gmmnk/ (2017年9月10日 19時) (レス) id: 103f1e7372 (このIDを非表示/違反報告)
ぜんざい大好きマン(プロフ) - ところで、みんくさん今年高校にご入学されたんですね、おめでとうございます。でもそうすると、班クソ書き始めたのって中2の時ってことになりません? (2017年8月17日 22時) (レス) id: dc0cb92ab3 (このIDを非表示/違反報告)
ぜんざい大好きマン(プロフ) - みんくさん素直に信じてTwitterでおてぃんてぃんランド開園しちゃうとか言ってたのに、カワイソウ。みんくさんの気持ちを弄ぶなんてけしからん奴じゃ。 (2017年8月17日 22時) (レス) id: dc0cb92ab3 (このIDを非表示/違反報告)
天宮みんく(プロフ) - (サブ垢の方で返信したのは間違いです) (2017年8月14日 21時) (レス) id: c59fc0c6df (このIDを非表示/違反報告)
天宮サブ垢(プロフ) - ぜんざい大好きマンさん» なるほど!そうだったんですね笑。確かに二次創作書いてる時点でオチは分かってますし内容や書き方も未熟なのでそう言われても仕方が無いですね^^* (2017年8月14日 21時) (レス) id: f92d1429d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天宮みんく | 作者ホームページ:@Tengu_Mink  
作成日時:2017年8月4日 12時

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