深夜０時 ページ17
「……別の 世界みたいだね。」
「ええ。」
それでも空の、月の明るさは変わらなくて ほうと安堵する。
「形あるものは、全て変わっていくんですよ。」
「嫌だなぁ。」
私の肩ほどのフェンスに腕を乗せながら、ゆっくりと微笑む。
その姿はどこか 艶めいていた。
馴染み深い風景、昔からの友人、好きな場所、愛するひと
全部全部、変わってほしくないと思う。
今のままでいい。このままで、あなたのままで。
……変わっていくのが、こわかった。
「怖いの……。」
「……A。」
時間の流れは止められません と置いて、続ける。
ですが
「散ってゆくから美しいのだと、私は思います。」
風が揺らいで、月が丸く光っている。
その言葉に私は、なぜだか胸の奥が苦しくなって、泣いた。
喉のところで息がとまって、苦しい。
けほ、としゃくり上げるように息をはき うつむいた。
「……昔、飼っていた猫がいたの。」
「さぞかし可愛かったでしょう。」
「うん。でもね、病気にかかって死んじゃった。」
最低だと思うんだけどね
「わたしの腕の中で、静かに冷たくなっていったその猫をね、わたしはきれいだと思ったの。」
とっても。
そう付け足して、腰が抜けるように 地面にしゃがみこんだ。
さいていだ。
でも、変わっていくことは いつも恐怖と引き換えに、きれいなものを置いていった。
そのたびに私は、きれいなものを糧にして、今日まで生きてきたのだ。
「私も、あなたと同じ考えですよ。」
「……抱きしめて。」
人恋しくなる。
あかりが灯ってゆく。
こんな夜もいいかもしれない。
月と、沢山の星に囲まれた、暑苦しい深夜0時。
月が綺麗だねと、静かに呟いた 深夜0時。
.
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凰朧月鬼華(プロフ) - 天宮みんくさん» いちごから変換されていませんよ … ？ (2017年10月17日 22時) (
レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
天宮みんく(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» そんな雰囲気を目指しています(*^^*)名前変換は行っていますよ〜！ (2017年10月17日 22時) (レス) id: c59fc0c6df (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - 不思議な感じの作品ですね。ほのぼのとしてて良いです。名前変換はしないのですか？ (2017年9月24日 23時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
そのだ(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/hp/gmmnk/ (2017年9月10日 20時) (レス) id: 103f1e7372 (このIDを非表示/違反報告)
天宮みんく(プロフ) - pineさん» すみません、先ほど気が付いて外しました〜、ご指摘ありがとうございます！ (2017年7月24日 23時) (レス) id: c59fc0c6df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天宮みんく
| 作者ホームページ：@Tengu_Mink
作成日時：2017年7月24日 20時
