【ワールドトリガー】私達は近界民を倒します【東方Project】 (ページ6)

今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:10,993 hit

episode5 ページ6

5分程歩いた頃だろうか。

目の前には、フランちゃんがいる。

否、フランちゃんだけではない。

見たことのない重そうなものを背中と胸に付けた不思議な人が、私とフランちゃんの前に立っていた。

予想は出来ることだったが、あの人はフランちゃんまでこちらに呼んだらしい。

「…おい、答えろ。

お前達は人間か？」

目付きの悪い、15から18頃だろうか。

その程度の歳の少年だった。

随分と高圧的な態度だが、彼はこの世界では偉い方の人間なのだろうか。

「…フラン？フランはフラン。

フランドール・スカーレット。

Aお姉さまは、夜桜A。

貴方、誰？」

彼の態度からして、名前を聞いている訳では無いのだろう。

それを分かっているのか分かっていないのかは分からないが、フランちゃんは自己紹介を始める。

…多分分かっていないのだろう。

「ふざけるな。

お前達は何者だ。」

いくら彼が目付きが悪いと言えど、スグに人間じゃないとは思わないだろう。

…それでは、どうしてそんな事聞くのか。

…それは、フランちゃんに付いている「羽」のせいなのだろう。

「…？

だからフランはさっき自己紹介したじゃない。」

フランちゃんは意味がわかっていないようだが、無用なトラブルを今後避けるため、これだけは言っておかないといけないだろう。

「フランちゃん…。

知らない人に名前を教えるのは危ないからやめた方がいいよ…？」

「はーい！」

元気よく返事をするフランちゃんの頭を撫でると、私は先程からこちらを睨んでいる少年へと目を向ける。

「…もう一度聞く。

貴様らは何者だ。」

強い口調で、何度も言っている言葉を、また口に出す。

彼の語彙力はどうなっているのだろうか。

「…私は、人間です。」

恐らく彼が求めていたであろう答えを言うと、彼は

「ふざけるなっ！！」

と声を上げた。

…真実を言っただけなのだが。

「ならソイツはどういう事だっ！

人間に羽が生えるわけないだろう！！」

フランちゃんを指差していう彼に、フランちゃんは冷たい視線を送っていた。

「…お兄さん、どう言うつもりか知らないけど。

フランのこと"ソイツ”って言ったり、Aお姉さまを虐めたりして…。

壊されたいの？」