lonely - ひとりじゃないからね (ページ16)

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□ 悩みページ16

side*有岡

涼介「…んぅ」

有岡「拗ねてんの？」

口を尖らせて何か言いたげな涼介さん。

なぁに？なんて聞いてみれば「寂しかった」なんてぶつぶつ口にする。

有岡「じゃあ、今からは涼介の時間。な？」

今日は朝から急変した子が居て、そっちに付きっきりだったから涼介の所に来れたのは数時間ぶり。

その間他の看護師が見に来たみたいだけど拒絶しちゃったみたいで。

俺の事待っててくれてたんだろうな。

涼介「…ここ、」

有岡「ん？…あれ、血出てんじゃん」

今にも泣き出しそうな顔で指さした所には少しだけ血が滲んでいた。

引っ掻いちゃったのかな、古傷の上から傷ついている様。

有岡「ぶつけちゃった？」

涼介「…んん、」

有岡「泣いちゃうの？‪笑」

涼介「……ぐすっ、…泣」

泣いちゃった…笑

ここに来て2日目、彼について知れたのは人見知りと寂しがり屋、そして甘えんぼな事だけ。

まだまだかなぁ、質問すると黙っちゃうし。

有岡「おっ、…と。涼介、深呼吸して？」

涼介「…んぅ、！泣」

有岡「ほら、吸って〜。吐いて、…そう上手。」

肩に顔を埋めてぐずぐず言い出すと、胸元の心電図が異常を示す。

落ち着いて深呼吸を促せば上手に乗っかってくれるから良かったけど、…これ1人の時になると心配だな。

「…引っ付いてんの？」

有岡「あ、先生来たよ？涼介。」

涼介「…や…泣」

髙木「嫌って、笑」

危ない危ない、そんなに暴れたら落ちるって…

高木「顔は覚えてくれたんだな」

物覚えは良いんです…。

しかも多分、賢い子。

涼介「ぐすっ、…うわぁん……泣」

有岡「もう終わるからね。大丈夫大丈夫」

膝に乗せたまま診察してもらうと、号泣しながらも良い子に指示に従うから先生も笑いながら聴診器を当てる。

きっと他人に触られるのが嫌なんだよね、

有岡「お口の中見せて欲しいって。あーん出来る？」

高木「ん、よく頑張りました。」

涼介「…ひくっ、ぐす……泣」

高木「どれが良い？」

涼介「…っ、…これ…」

暫く号泣していたのに、急にピタッと泣き止んだ様子。

ん？と思っていれば、大きな手で頭を撫でてもらった後先生のポッケから出てきたのは数枚のシールで。

小児科だからね、大概の医師のポッケには入ってたりするんだけど…まさか高木先生が持ってるとは思わなかったなぁ。