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□ 寄り添い ページ13

side*有岡


伊野尾「…ねぇ、」

中島「どうしました?」

伊野尾「どうしました、じゃないじゃん。」


目の前に広がる異様な光景に思わず吹き出しそうになる。

今朝、いつもより少し早く出勤をすると高木先生に捕まっている伊野尾先生とそれを見守る裕翔が既に居て。

敢えて何も言わずに処置室に連れ込むと、反抗しているのかそっぽを向いて1人下唇を出す伊野尾先生。


有岡「産まれたばかりの赤ちゃんもこんな顔して泣きますね」

中島「確かに笑」


変わらずぷいっとしたままだけど。笑


高木「早くして」

伊野尾「…聞いてないもん」

高木「言ったら来ないじゃん」


それはそうだけど、…って自覚あるだけ偉い笑

早く終わらせちゃえばいいのに、


高木「新人の看護師呼んでこようか?」

中島「先生の血管難しいですからね」

有岡「良い練習台ですよ」


ふはっ、唇ぷるぷるさせてるよ。笑

採血なんてすぐ終わるのに、、痛いのも数秒だけだし。


有岡「ほら、頑張りましょう。」

伊野尾「…」

中島「高木先生のこと睨まないの。笑」


毎日こんな子達の相手してるから慣れてはいるけど、伊野尾先生ともなれば話は別…ではなかった。

嫌がるし動くしで、多分子供の方が上手に受けてくれるよ…。


高木「少し痛いよ」

伊野尾「…っ、まって」

高木「待たない。下向いて」

伊野尾「いっ、……たい…」


すげぇな、あんなに細い血管なのに一発で入れちゃった。

おかげで伊野尾先生は必死に耐えてるけど、ってか…力強く握られた手が痛い。笑


中島「もう終わりますからね。くらくらしたりしないですか?」

有岡「頑張った頑張った。手の力抜きましょうね」


4本も抜かれてる…、検査項目多かったもんな。

器用にシリンジに血液を貯めながら、空いてる方で反対の手首を使って脈を測る…無駄の無さ。


高木「よし、終わり。暫く休んでな」

中島「ベッド横になりましょうね、動きますよ〜」


素早く片付けに入る高木先生を手伝い、伊野尾先生がベッドに横になったのを確認すると一息つく。

何も無いと良いけどな、…。

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作者名:みにむ | 作成日時:2022年4月2日 15時

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