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｢…わぁ｣
｢僕あんまりこういうの似合わないんだよね｣
｢いや、もう、最高。ありがとう｣
｢そう？｣
こんなのでいいんだ。とどうでも良さそうな顔で履いているのはスカート。裾がひらひらするタイプで、さっき俺が｢履いてみない？｣って渡したやつ。
拒否もなければ恥ずかしがりもせず淡々と履くあたり、仕事でその辺の感覚が麻痺してるんだと思う。
動く度にひらひらと翻るスカートの裾に、ちょっとドキドキする。普段人がスカート履いてるの見てもそんなドキドキしたりしないのに、なんでだ。
俺にクリティカルヒットするように全部計算とかしてる？だとしたら天才。数学者とか絶対敵わない。
じゃあ、と机にいろんなカタログが広げられる。
スカートを履くかわりに何か欲しいものを買うっていう約束をさっきしたから、るんるんと楽しそうに今は家具と雑貨のカタログを眺めている。可愛い。
｢あ、これ欲しい｣
｢ん〜どれ？｣
｢これ、あ、あれも欲しい…これもいいな｣
｢…１個だよ？｣
｢え、スカート履いたのに？｣
｢スカートそんな高いんか｣
好きなブランドのとこだから目につくやつ全部欲しい感じ。
あれこれ指差すから、ページが全く進まない。
｢＿で、結局色々注文したんだよね｣
｢涼介が”何が欲しい？あと何か欲しいのある？何欲しい？”って聞いてきたんじゃん｣
｢ヤマほんとに知念に甘いね｣
｢え、そう？｣
｢うん、どう見ても。知念が欲しいって言ったらなんでも買いそう｣
｢そうかなぁ｣
｢山ちゃん知念に言われたらダイヤとかプールとか買いそうだよね｣
｢そんな金は持ってないわ｣
｢ヤマならプールは怪しくてもダイヤは買えるでしょ。…いや、プールも買おうと思えば買えるか…｣
｢どっちも別に要らない｣
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作者名：しろみ | 作成日時：2023年11月12日 9時
