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「伊野尾ちゃん観てないんじゃない?」
「…観てなくていい」
「なに、何の話よ」
「…いのちゃん、飲みに行ってその場で寝ちゃうことあるでしょ」
「あ〜、あるかも?…それが何?」
「っその寝顔を!おつまみにして!お酒飲んでるって言ってたの!!」
「……ん?」

ガバッと顔を上げた光くんは、怒ってます!って顔で伊野尾ちゃんの肩を掴む。対して伊野尾ちゃんは、ぽかんとした顔。

「恋人が!自分の居ないとこで寝顔を酒のつまみにされてる俺の気持ち分かる!?ねぇ!!」
「いだだだだ!待ってひかる肩痛ぇ!!」
「すっごく嫌なの!!だからご飯行かないで!!!」

勢いよくそこまで言い切った光くんは、また伊野尾ちゃんにぎゅっと抱き着いて、「ゔぅ…」と唸った。

「はぇ〜、山田今の話ほんと?」
「まあ、間違ってないね」
「へ〜なるほどねぇ…」
「ま、テレビで言ってるくらいだし、それ以上も以下もないと思うけど」
「ははっ、 そうだろうね」

以上も以下もなくても、光くんはもうその事実が嫌みたいだけど。
光くんの頭をぽんぽんと撫でながら何か考え込んでいた伊野尾ちゃんは、「ひかる、」と抱き着いて離れない光くんに声をかけた。

「さっきも言ったけどね、俺にも付き合いってもんがあるの」
「…分かってるもん……」
「でもそっか、嫌か。そっかそっか、珍しいね〜ひかるが強めに自己主張してくるの」

ふふっ、とどこが嬉しそうに笑う伊野尾ちゃん。
あ、これはあれだ。このままだと甘〜い雰囲気をもろに食らっちゃうやつだ。

たまったもんじゃない、と荷物を持って、少し離れたところに座っている薮ちゃんの元へと逃げた。


「じゃあ俺もお酒飲みに行くの自重しよっかな」
「…ほんと?」
「だって珍し〜ひかるの我儘だもん。聞いてあげなきゃ勿体ないじゃん」
「へへっ、なにそれ」
「その代わりひかるもだよ?俺もひかるがそんなこと言われてたらやだもん」
「俺別に寝たりしないし。酒強いの知ってるでしょ」
「ダメなもんはダメ〜」
「えぇ〜?しょーがないなぁ」
「じゃあ今日は俺んちで飲もうねぇ」
「うん、美味しいおつまみいっぱい作るね」
「ひかるのこともおつまみにする〜」
「あははっ、じゃあ俺も〜」







*→←お酒の話−inhk.hkin



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しろみ(プロフ) - おこげさん» 嬉しいです〜!こちらこそ読んでいただいてありがとうございます!! (2022年2月1日 23時) (レス) @page9 id: a728324ea6 (このIDを非表示/違反報告)
おこげ(プロフ) - hkinが大好きなのですが、どのお話も素敵でニコニコしながら読ませて頂きました!素敵なお話をありがとうございます! (2022年1月29日 18時) (レス) id: ec6c8a8fda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろみ | 作成日時:2021年11月29日 13時

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