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流石に何年もやっているだけあってか、始まる直前に仕事モードに入ったひかると、1時間の生放送を無事終えて楽屋に戻る。
慌てて楽屋に入ったひかるは、自分の荷物を引っ掴むとそのまま出て行こうとした。
｢…いやいやいやいやいやいや｣
｢あ"っ、は、離して！離していのちゃん！｣
｢いやいやひかる。それは無い｣
咄嗟に手を伸ばして腕を掴むと、今まで見たこと無いくらいに焦りながら俺の手を振りほどこうとする。
｢話すことなんて何も無いから！｣
｢俺まだ何も言ってないけど｣
｢見てない！夢なんて見てない！｣
｢…えっ？俺別にひかるが夢見たかなんて、聞いて………え…？｣
ぽかんとした顔でひかるを見ると、しまったという顔をしていた。
｢ひかる…夢、見たの？｣
｢や…あの、えと…｣
｢ひかる、あの夢…ひかるも見てるの？｣
カバンを抱き締めたままのひかるは逃げられないと悟ったのか
暫く沈黙すると、観念したように、こくり。と頷いた。
｢…………！？｣
待ってくれ、見てた？ひかるが？ひか、ひかるが！？
ということは、待って、あれは俺が作り出した幻覚じゃなくて、本物だったってこと？
俺は、本物のひかるに、大好きだって、言い続けてたってこと？
｢〜〜！！｣
ぼっ！と、顔が熱くなるのが自分でも分かった。
恥ずかしくて死にそうだ。今すぐこの場から逃げ出したい。
逃げ出したいのに、体に力が入らない。
ひかるの腕から手を離し、へなへなと椅子を頼りに床にへたり込む。
｢えっ、いのちゃん…？｣
顔から火が出そうだ。恥ずかしい、とてつもなく恥ずかしい。
夢だと、思ってたのに。
｢いのちゃん…？だ、大丈夫？｣
｢…夢の…内容、覚えてる…？｣
｢え？あぁ…うん…｣
あぁ終わった。
今にも逃げそうだったひかるは、心配してくれたのか俺の背中に手を当ててくれている。
優しい。夢でも俺の事宥めてくれた事あったな、なんて思い出す。
そう、夢でも。夢、でも…
ｶﾞｯ
｢えっ｣
｢ひかる、夢の内容覚えてるんだよな？｣
｢へ？あ、あのぉ〜…どうかな…？｣
｢しらばっくれんな。今覚えてるって言ってた｣
ゔっ、とした顔。
逃げようにも離してもらえない腕に、諦めたのか大きく溜息を吐いて隣にしゃがみ込んだ。
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しろみ(プロフ) - おこげさん» 嬉しいです〜！こちらこそ読んでいただいてありがとうございます！！ (2022年2月1日 23時) (
レス) @page9 id: a728324ea6 (このIDを非表示/違反報告)
おこげ(プロフ) - hkinが大好きなのですが、どのお話も素敵でニコニコしながら読ませて頂きました！素敵なお話をありがとうございます！ (2022年1月29日 18時) (レス) id: ec6c8a8fda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろみ | 作成日時：2021年11月29日 13時
