クライ審神者~ぱーと１~【刀剣乱舞】【FAIRY TAIL】

もぐもぐ33回 ページ34

『っぁ、ふっ……あぁ』

僕は耐えられなくて膝を付き、顔を覆う

「え、ちょっと……」


『ごめんなさいごめんなさい、殴らないで、痛い、痛い……やだっ、やだっ！』

『あぁぁ、辛い、痛い、怖い、消えたい、忘れたい、死にたい』



僕と太鼓鐘と霊力が共鳴する


『怖い怖い怖い、失いたくない、見たくない、消えたくない、やだ、嫌い、何で"俺"達が、俺達がなにしたって言うんだよ、憎い、怖い、殺したい、死にたい、やだやだやだやだ』


フラリとゆっくり太鼓鐘に近付く


『怖い、憎い、死にたくない、殺したい』

『悲しい、寂しい、辛い、怖い』


太鼓鐘も共鳴したことに気付いていたのか、どちらともなく手を伸ばす


指を絡め、抱き締める



『大丈夫、怖くないよ、もうあの女は居ない、もう痛くも寒くもないよ、大丈夫、僕には分かるから、僕が君を……君達を守って上げる』

太鼓鐘はコクコクと頷く

僕の肩が濡れる

『もう怖い思いなんてしなくていい、悲しい思いをするのは、もう______』





誰1人だって居なくていい(僕だけで十分だ)




魔力で太鼓鐘を治す

『もう痛くないよ、もう寒くないよ』

「っう、ん」



暫く抱き締めていたが、それも嫌だろうと思い

太鼓鐘を抱き締める力を緩めるが



「ダメ……まだ」

太鼓鐘はもっと抱き締める力を強くした


『ん……分かった』



ギュッと抱き着いて離れない太鼓鐘の頭を優しく撫で続ける









どこかでそれを見ていた小さな彼は静かに涙を流した

「彼女なら俺達を救ってくれる？」

夜目の効かない目で精一杯彼女を見つめる




月明かりに照らされ、儚げに微笑み、頬を涙を滑られる彼女を


存在すらしない母親に見えたとか

もぐもぐ34回→←もぐもぐ32回

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す