【キメツ学園】琥珀色の花束。【煉獄杏寿郎】

飴色林檎とティータイム・前編 ページ31

「学生生活最後の文化祭、楽しもう！」


そんなクラス委員の掛け声に皆「おお！」と楽しそうに叫ぶ、私達のクラスは一日目は「宮殿の茶会」をモチーフの喫茶店、私は朝番なので早速丈の長いメイド服を纏う

宮殿モチーフと言うくらいだから教室やメニューは中世ヨーロッパに近しい、中々凝った作りになっている


『御待ちしておりましたお嬢様、こちらへどうぞ……何をお持ちいたしましょうか？』

「え……あ、じゃあ紅茶とこのフルーツタルトで」

『承知いたしました……お嬢様緊張されているのですか？頬が赤らんでおりますが』

「へっ平気です！」

『そうですか？……それでは少々お待ちくださいませ』


中学生と思われる女の子は頬を軽く染めていた、こんな雰囲気の喫茶店など中々存在しないから緊張しているんだろう

接客をマニュアル通りに行っているとき、きゃーっと黄色い声が飛び交う

皆の視線の先に目を向けると、そこには髪を1つに纏め燕尾服を確り身に纏う杏寿郎の姿があった……くっ、格好いい……

ふと目があった杏寿郎に口パクで「似合ってる」と言うとにぱぁ！と笑われキュンと心臓が締め付けられる

すると杏寿郎も口パクで「綺麗ですよ」と告げてきた、不覚にも頬が赤く染まってしまったのは仕方無いと思う

杏寿郎は教師として見回りがあるし、何よりも教師と生徒が共に文化祭を回った等と知れ渡れば杏寿郎が苦しむことになる……一緒に回りたかった、一応……恋仲ではあるし

ふとポケットのスマホが振動し、メッセージアプリの通知が表示された

そこには杏寿郎から


「来年は一緒に回りましょう!」


と、一言


『(嗚呼もう……好きだなぁ)』


緩みそうな頬を無理矢理引き締め、メッセージアプリに『約束ね？』と書き送る

……来年が楽しみだな


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生徒と教師の恋愛ってこんな感じで密か且つ清い関係性なんだろうなと思いました

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