琥珀色の花束を貴方に ページ28
珍しくソファーで昼間に眠ってしまっている愛しい彼の隣に座り、彼の頭を自身の肩にもたれさせる
彼の無防備な額に口付ける、少しくすぐったそうに身をよじったがまた大人しく寝息を立てた
『ふふっ』
頬を両手で包み込むように支えつつ、頬や瞼唇のすぐ横に口付けを落とす
それでも尚"眠っている"彼にますます変な笑みが溢れる、実は私は彼が狸寝入りしていることを知っているんだ
そして唇に口付けしようとしたとき___
「っAさん……?」
『やっと目を開いたわね』
「起きてた事を知っていてやっていましたよね、達の悪い……」
杏寿郎は頬をほんのり赤らめ目を開いた、いい加減口付けにも慣れれば良いものを「憧れのAさんからの口付けに慣れるなんて出来ません!」と可愛いことを言ってくれるんだろうな
『仕方無いでしょう?君が泣いていたものだから……どんな夢を見ていたの?』
「……昔の夢を、貴方にもう一度巡り会えたあのときからの夢を見ていました」
『えぇ?あの時のことは恥ずかしくて思い出したくはないのだけど……』
「恥じらう貴方も素敵だ」
『っ……いつからそんなことを言えるようになったのかしら?』
「……Aさんにいつか呟く日のために練習していた、と言ったら笑いますか?」
……嗚呼、本当にいとおしい
この幸せなときが、君と___杏寿郎と共に居られるこの時間が何よりもいとおしいよ
『……ありがとう、杏寿郎……私を幸せにしてくれて』
「なに言ってるんですか?これからもずっと幸せでいてもらいますよ!」
大きく膨らんだお腹を優しく撫でる、嗚呼幸せだ……君と歩んだ時間も君と歩むこれからの時間も
ポロリと溢れた涙がコツンと音を立て床へと落ちる
それは日の光に当たり美しい琥珀色に光るのだった
__True end.__
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Frozenheart_99(プロフ) - 月明かりと紅色さん» 愛念のある作品の作者さんのお力になれたのなら、感慨深いです!これからも応援しています! (2019年8月15日 3時) (レス) id: b1cd95b247 (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - Frozenheart_99さん» コメントありがとうございます!勉強になりました!本場の方にアドバイス頂けるのは大変嬉しいです、これからも関西弁で可笑しな所があってもなくてもコメントしてくださると作者の励みになります! (2019年8月14日 0時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
Frozenheart_99(プロフ) - 何時も愛読させて頂いてます!私関西の人間なんですけどしばくって言うのは殴る蹴るなどの暴行よりは「あんた〜ええ加減にしなしばくで〜笑笑」って感じですかね!殴ったり〜で大丈夫だと思います!口出しすいません!関西弁をわざわざ使って頂けるのが嬉しくてつい… (2019年8月14日 0時) (レス) id: b1cd95b247 (このIDを非表示/違反報告)
月明かりと紅色(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!そうですよね、私もそんな煉獄さんのギャップに悶えた人です!これからも不器用ながらに頑張りますので、ぜひ彼女彼らの未来まで見てくださるととっても嬉しいです! (2019年7月23日 22時) (レス) id: ce1b07ed69 (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 煉獄さん凄く格好良くって、でも時々天然で可愛い所もあって凄く良いですよね!!続き楽しみにしていますね!! (2019年7月23日 18時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月明かりと紅色 | 作成日時:2019年7月2日 21時