【キメツ学園】琥珀色の花束。【煉獄杏寿郎】

失踪 ページ26

「居なくなった……？」

「はい、今朝確認しに行ったときには既にもぬけの殻で……病院内くまなく探したんですが見付からず、多分外に出たんだと思います……窓から」

「窓から！？」

「Aさんアクティブやな〜」


受付の看護師にそう告げられ見舞品を落としそうになる、隣に居た兄弟子殿こと小桜さんは呑気に告げる


「小桜さ……少年！」

「怒らんといて〜こればっかりはもう性格やねん……でも心配やな、Aさんとは言え倒れた直後やし」


小桜さんは暫く考えたあと、ピーンと閃いた様な顔をした


「オレ町ん方探すさかい、杏寿郎はガッコの方探してくれへん？よろしく頼むで〜」


小桜さんはヒラヒラと手を降ると病院から出ていった……仕方ない、もしかしたらお館様にお会いしているのかもしれないし家に居る可能性も無いわけではない

俺は受付の看護師に頭を下げ病院を出学校に向かった





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「っ……いな、い……はぁ」


Aさんは学校にも家にも近所の公園にも居なかった、乱れた息を整えていると携帯が揺れ小桜さんから連絡が来た


《「Aさん見付かった？」》

「いえ、全く……」

《「オレの方にも居らんかった……んも〜どこ行ったんやろAさん」》

「っ……俺には、見付けられないのでしょうか……？数年一緒に居ただけの、何も守れない柱等に……」


自分でも驚くほど考え方がマイナス思考になっていく、見付からない焦りと心配が入り交じって頭が可笑しくなりそうだ

そんな思いがポツリと溢れたときだった


《「ったく……ほんま邪魔くさいわー、このあかんたれっ！」》

「へ？」


小桜さんの逆鱗が右耳から入り左耳に抜けた、携帯の向こうでは小桜さんの舌打ちが聞こえる


《「何弱気になってんねん、自分腐ってもAの弟子やろが！今までただAさんに憧れてたわけやないやろ！？何で最後まで一緒に居った自分がいっちゃんくよくよしてんねん！自分だけが知っとることあるやろ！？あの人を誰よりも愛してたお前には！」》

《「お前がそんなへたれやとは思わんかった！そんな男にAさんは守れん！Aさんはオレがもらう！自分はそこでメソメソしてたらええ！」》


プツリと通話が切られた、俺は一度深呼吸をし頬をバチンと叩く

情けない、なんと情けないことだろうか


「よもやよもやだ！炎柱が聞いて呆れる！」


俺はもう一度地面を踏みしめた









ただ直くんに怒って欲しかっただけ、グダグタだね

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