lonely - 番外編 (ページ8)

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side*有岡

有「涼介」

涼「…やだ」

有「…涼介？」

涼「むり」

ここに来て早々捕まったのは良いものの、さすがに中学生が長時間膝の上に乗っかってると足が痺れちゃって

脇腹に手を当てながら名前を呼ぶだけで悟ったのか断固拒否のご様子。

有「俺汗かいちゃう」

涼「…寒いのに？」

有「今日暑いよ。涼介の体も」

湿気のせいでジメジメした日なのにそれを上回る体温の涼介を抱き、その上からブランケットなんて掛けられるとたまったもんじゃない

涼「…降ろしてもいいよ」

有「なんで拗ねてんの」

訳するならば「動けないから自分でやって」…とね。

涼介的にも座ってるより横になってた方が楽みたいで、そのまま寝かせると素直に手を繋いできた。

涼「…げーむしたかった」

有「また今度やってあげるから」

涼「なんで、……っ…」

有「まずはその熱下げよう、な？」

高木も伊野ちゃんも出来ないことは無いけど涼介の相手にはならないらしく、俺が構ってやれる時は甘えてくるかゲームの二択。

最近は中々来てやれて無かったしね、久々に会ったのに万全ではない体調に嫌気がさしたんだろう

…って言うか、今日はそもそも熱出したって聞いたから来たんだけど

涼「…もうやだ」

精神的にきている事も聞いてはいて、少しの安心材料になればな… と顔を見に来たのも本当。

見れば相当弱ってる

有「あ、ゼリー買ってきたからちょっと食う？」

涼「……いらない」

有「ほんとは食べたいんだろ」

涼「…」

ふっ、図星か

嘘をつけない顔が物語ってるぞ。

有「不安な事とか無い？」

部屋の掃除してくるから見てて、なんて言われふたりきりになったリビングには穏やかな時が流れていた。

だから、少し聞けるかな…って

涼「……ない」

有「そっか」

さっきみたいに、あるんだろ？って聞き返してやるのが正解なのか、このまま閉じ込めさせておくのが正解なのか。

いつまで経っても分からない