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「っ、!!…」
有「ダメ。危ないからそれ置いて。」
エラー音が鳴り響く部屋で、心電図はもちろん…点滴も酸素マスクも散らばっていたその光景。
発作の疲れかな…虚な目が俺を捉えてくれなくて。
有「血、止めてあげないと涼介の身体しんどいよって」
涼「…しんどくな、っい……」
有「ほらほら、倒れちゃう。…ね、一旦座りなさいそこ」
右手には抜いたまま持っていた点滴。
きっとそれを使って自分の体を傷つける…なんてことは、臆病な涼介に出来たことじゃないかもしれないけど…。
反抗しようと立ち上がった瞬間にふらっと体が倒れごつん…と床に膝がぶつかった。
涼「…っはぁ、………ふ……っ、たい………」
有「どこ痛い?」
涼「、はぁ…はぁ……っ!……」
有「っ、有岡です。高木先生呼んで」
そして突然それは襲ってくる。
カートから出したガーゼで傷口を押さえながら、頭が床に着いてしまいそうになる程かがみ込む身体を支えてなんとか手を伸ばし握るナースコール。
大丈夫。大丈夫だからね。…呟く声はきっと自分を落ち着けていたんだと思う。
高「血だらけじゃん」
有「発作だと思います」
高「っぽいね。涼介、あーん……よし。」
口にぽいっと一粒の錠剤。
わしゃわしゃあっと撫でてもらう感覚に意識が戻ってきたのか、俺の胸から出ていった涼介は高木先生に抱きついて。
高「入院が嫌なんだな。笑」
涼「…、ん……」
高「暴れて発作起こしちゃ余計帰れなくなるぞ」
涼「っ……めんなさい」
高「なんとか家で見てあげられる様にするから、この点滴だけ頑張ってくれる?」
涼「…ん」
俺には敵わないや、
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作者名:みにむ | 作成日時:2022年6月15日 11時