lonely - 番外編 (ページ45)

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中「涼介くんだ」

有「呼び出し？俺行ってくるよ」

病棟が一旦寝静まるお昼の3時頃。

物品整理をしていた面々が突然鳴ったナースコールに振り返り、つぶやいた裕翔の声にステーションを飛び出した。

有「なしたぁ？」

「っ、だい……」

有「おはよ。どした、しんどい？」

珍しく助けを求めてきた理由は他にない、なんで泣いてるの？…と布団をめくってみれば痛々しく腫れてしまった左腕を守っていた。

有「漏れちゃったか。ごめんな、痛かったね」

涼「っぐす、……ごめ……なさい…泣」

有「謝んなくていーの。寧ろちゃんと説明してあげなかった俺が悪い」

いつもはがちがちに固定する点滴も、今日はそれやると機嫌を損ねそうだったから大人と同じテープの止め方をしていて。

あんまり動くと針がずれちゃうからねって伝えていなかった俺のせい。

有「ちょっと冷やそっか。まだ寝れそ？」

涼「…おきてる、……」

有「ん、じゃあ熱測って待ってて」

ピッと電源をつけて渡すと、少し渋ったもののなんとか測ってくれる気にはなった様子。

早く戻ってきてね、なんて言葉通り保冷剤を持って病室に戻ってくるまで体感5秒だったわ。

涼「…ん、」

有「げ、39度あんじゃん。辛くないの？」

涼「……つらい…」

有「だよな。なんか欲しいもんある？そろそろ髙木先生休憩入るだろうから頼んであげるよ」

病室にいるけど入院はしていない、そんな状態。

だから抜け出してもらっても構わないけどそんな体力はなさそうだもんな、

涼「…いたくなくなってきた……」

有「ほんと？…良かった。」

額に滲む汗でぺったりしてきた前髪をピンで止めてやり、「早く帰りたい」と漏らしたそれをしっかり髙木先生に伝えて。

熱もたいして下がらないまま連れて帰ることにはなっちゃったけど。

涼「あんしんする、………」

伊「…んふふ。今日ずっと大ちゃんと一緒に居たんでしょう？」

家に帰ってきてソファを借りる俺の膝の中へぽすっとおさまった涼介があつあつの身体でうとうと……

高い熱はまだ引きそうにないけど一緒に頑張ろうね、なんてお決まりの台詞とともに寝かしつけた2日後。

例外もなく、俺も同じ感染症に罹ったのは言うまでもない。

『ツンツンデレ』finish....