lonely - 番外編 (ページ41)

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side*伊野尾

伊「お疲れ様。おんぶする？」

涼「…ん」

検査室からの帰り道

熱と発作とでお疲れモードな涼介さんを背中に乗っけて。

涼「……からまった」

伊「ん？…あれ、ほんとだ。」

点滴スタンドをがらがら引きながら歩いていると、いつの間にか管が手首に巻き付く。

直して、と言わんばかりの尖ったお口を見て笑うといつの間にかその重みが無くなっていた。

伊「拉致」

高「言い方。痛いの無くなった？」

涼「…ぅん」

高「いつまで遊んでんの」

涼「絡まったの」

少し前まで背中の上にあった熱すぎるほどの温もりは、追いかけてきた高木の腕の中へと誘拐されて行って。

おでこをぺたぺた触られる感覚にぷいっとそっぽを向く

涼「…早く帰ろうよ」

伊「今日は帰れないよ〜ってさっきお話ししなかったっけ」

涼「んーん、帰る…」

伊「もう眠たいんでしょ。」

何を自信満々に…と言いたいところだけど

それは点滴が入って少し落ち着いたからこそのお願いだもんね。

高「こんだけ喋るようになれば良いんじゃない。」

涼「…かえる？」

高「あと1時間だけ様子見てからな」

涼「えぇ…」

高「大人しくしてられないんだったら入院だよ」

検査の結果も異常があったわけではなさそうで

この数週間の疲れがどっと響いちゃったんだろうね、と。

精神的なものもあるだろうし……

.

涼「っ！赤点取らなかった…！」

数日後

多かった何科目もの答案用紙をファイルに入れるわけでもなくそのまま抱えて帰ってきた涼介はにっこにこの笑顔で見せてくれて。

あれだけ部屋に篭って頑張った甲斐があったね、お疲れ様。

《努力と結果》fin...