lonely - 番外編 (ページ35)

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『…ありがと』

高「部屋まで帰れる？」

『……うん、大丈夫』

途中まで見送ったけど迷いもなく自分の病室に帰って行ったから大丈夫そうかな、

中「あ、やっと見つけた。どこに居たんですか」

高「ずっとここに居たけど」

あれ、俺どっか行ってたっけ…？

中「午後から検査入ってましたよね？」

高「あ、」

中「伊野尾先生が代わってくれました」

高「…まじで？」

だめだな、全く頭が回ってない

"姿見えてましたけど"

高「なんで呼んでくんないの」

中「伊野尾先生に止められたので」

そこまで言うとにっこり笑って去っていく彼

……嫌な予感がする、

高「…ごめん、ありがとう」

伊「ん」

ことん、と隣に置かれたスポーツドリンク

やっぱバレてんな

伊「一緒に帰れる？」

高「あ、やる事あるから先帰ってて」

伊「分かった。涼介さん拾って買い物でもしてくるね」

高「助かる」

仕事終わり

ロッカーで会ってしまったかと思えば、いつもと同じテンションでいつもと同じ会話をする

深追いはしてこない彼なりの優しさ。

「あれ、珍しい」

高「…ん」

その後、まぁやる事と言えばこのくらいしかない訳で

微熱が示された体温計を手渡した。

八「心当たりある？」

高「……ただの風邪」

八「んな訳ないでしょ」

とりあえず、この熱と吐き気が辛いんで薬を下さい

…なんて言ってもこの人に通用する訳がなくて。

高「心音も呼吸音も普通だから、」

八「今日なんか反抗的だね。笑」

"あ、いつもか。"

最後の一言いらねぇだろ

八「良いじゃん、ゆっくりしていきなよ。」

高「なんで知ってんの」

今夜は拘束時間が少ないのも、既に伊野尾くんが帰ったことも俺がここに来ることも何故だか全て把握済みの光くん

その犯人と言えば一人しかいないけど。

八「じゃ、ごゆっくり。終わる頃にまた来るよ」

有無を言わさず点滴を入れ、"この時期忙しいよなぁ〜" なんて言いながら去っていった

1時間もかかんねぇだろこれ……