lonely - 番外編 (ページ25)

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side*中島

「…らない」

有「咳止めは飲んでーって言ってたよ？」

涼「でないもん…」

さっきから幾度となく出てくる痰の絡んだ濃い咳は、数日前まで空咳だったみたいで

それを知らないと思っているだろう涼介くんは、どう誤魔化そうと思ったのか「飲まない」の一択

涼「…ん、けほっ……ごほっ」

必死に我慢しようとするから余計酷くなっちゃってるし……

有「熱測ろ。薬はそれからで良いから、な？」

涼「やだ！……っごほごほ、…もういいもん」

ふんっ… なんて顔を逸らすと、明るいリビングからふらふらと出て寝室に吸い込まれて行く身体

倒れちゃうから支えていい？…なんて言葉も不発に終わった

有「甘えたくなったらそのうち出てくるでしょ」

中「…だと良いけど、」

さっきまで抱っこをしていた大ちゃんの手にはほんのり赤く跡がついていて、聞けば身を捩って逃げ出した時に爪が引っかかったんだとか

そのせいなのか知らないけど、こちらもまた若干不機嫌

完全に居場所の無くなってしまった俺はと言うと、伊野ちゃんがバタバタと散らかして行った部屋のお片付け。

…なんて、そう心配しなくてもね

涼「……っ、ぐす………だぃちゃ… 泣」

有「なに？」

涼「っ……ごめ、なさい…」

30分程して顔を出した涼介くんは、ぐずぐず鼻を鳴らしお気に入りの小さな毛布を連れて来た。

有「別に怒ってないけど」

涼「……いつものだいちゃんじゃないもん」

携帯を見続ける大ちゃんに背中を向けられたままの涼介くんはまたぽろぽろと涙が流れてくる

ふふ、大ちゃんはね、怒るのに必死なんだよ？笑

涼「…っく、……ぐすっ… 泣」

中「お薬飲む？…うん、おいで」

ダイニングテーブルに置いたままだったコップを自ら持ってくると、今度は俺の膝の中へすっぽりおさまって。

涼「……ん」

中「偉いね。お熱も測るの？」

涼「…、」