lonely - 番外編 (ページ19)

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side*八乙女

「聴診するよ？」

ベッドに横たわる身体をとんとん、…と叩くと嫌だったのか身を捩って反対側にごろん。

……あれ、

八「背中から聴いちゃうからね」

伊「ん" ……」

八「そんな怒んないでよ、笑」

隠すべき対象が居なくなったからか、熱い息を漏らすとタオルを肩まで上げて完全防備

相当しんどいんだろうね、涙目になってる。

伊「……なんもしなくていいから、…」

何のためにここに来てくれたのって突っ込みたくなるセリフに笑わせてもらうと、"涼介は？" なんて心配を呟く

八「裕翔と一緒に小児病棟行ったよ、今頃小さい子達の相手でもしてくれてるんじゃない？」

伊「……、……たかぎは」

八「お仕事中です」

だから伊野ちゃんはその熱早く治すよ、なんて言えば今度は大人しく聴診させてくれて

八「最近忙しかったの？」

伊「………別に」

八「季節の変わり目だもんね」

点滴したら怒るかなぁ……

八「伊野ちゃん、てん「いらない」」

せめて最後まで言わせてよ、

八「涼くん心配してたけど良いの？」

伊「…、」

八「寂しい中一緒に居てくれたんじゃないの」

そこまで言うと、きゅっ…と唇を結んで

腫れぼったくなったまぶたを擦りながら繋いだ手をぎゅっと握り返してくれる

八「高木来る前にちょっと頑張って楽になっておこうね」

伊「……ん」

自分の為って考えるとなかなか動くことが出来なくても、余計な心配かける方が苦手だもんね。

伊「………ひかる」

八「ん？」

伊「…ん」

がんばるって合図を貰うと、針をさしてもびくともしない

ほんとは甘えたいだけなんだもんね。

伊「……涼介に、大丈夫っていっといて」

八「分かったから」

ふぁぁ…なんて大きなあくびをもらして、とろ〜んっとした喋り方のままゆっくり瞬き

熱があるとき特有の、稀に見るデレの方の猫みたい

………え、ネコ？