【HQ】全日本選手は腐男子でした

腐男子38% ページ42

｢お待たせしました！｣



そう言って走ってきてくれた鉄朗君の後ろには背の高いつんつん頭の




『し、しばいn…むぐっ！』

｢｢｢？｣｣｣




俺が声を出そうとしたら郁ちゃんに手で口を抑えられた。


い、息が…。




｢何でもない。あー…犬岡だよな？よろしく。｣

｢はいっ！と、ところでAさん離さなくていいんですか？｣

｢あ、忘れてた。｣

『ぷはっ！はぁー…はぁー…』




郁ちゃんから手を外してもらった俺は今まで止められていた酸素を体に回すように呼吸をする。


それが漸く収まってきた頃、郁ちゃんを強く睨む。




『いきなりああいうことせんでくれん！？ばり苦しかったっちゃけん！』

｢わりぃって。今度抹茶買ってくるから許せ。｣

『そ、そんなんで許すわけ…！

…駅前の限定のヤツ買ってきてね。』

｢おう。｣

｢｢｢(そんなんでいいのか！？)｣｣｣




郁ちゃんに息を止められ苦しかったが限定の抹茶を買ってきてくれるそうなので許してあげた。

郁ちゃんが選ぶの美味しいもん。


帰った時の楽しみができた俺は鼻歌を歌っていた。


あ、そう言えば柴犬君の相方がいない！？
一大事だよ！？




『ね、ねぇ鉄朗君。』

｢？どうしたんすか？｣

『えっと、優生君は？』

｢あー。芝山は今夜久に指導してもらってるんすよ。｣

『そうなんだ。』




チラッと音駒の状況を見てみれば確かに男の子と一緒に練習をしている優生君。


優生君！大丈夫だよ！
俺がちゃんと走君のこと守るからね！
心配しないでね！


ぐっと優生君に親指を立てました。

腐男子39%→←腐男子37%

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す