【HQ】全日本選手は腐男子でした

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No said


日本がバレーで優勝した瞬間、テレビに映されたのは黒髪の顔立ちが整っている男であった。


それもそのはず。
最後の1点を得点の3分の1は取った彼はチームのエース。

彼を知らない人はバレー界では多分いないだろう。

それぐらいに彼は人気である。


そんな彼に雑誌の取材やインタビューをしようとする報道陣たち。

だが、それは打ち砕かれる。



授賞式まで時間があるためクールダウン中の選手達。

その隙を狙って取材を申し込む報道陣達であったが、彼はどこにもいない。




｢あれ、橘田？アイツどこいったんだ？｣




クールダウンをしないといけない筈なのだが見当たらないチームメイトに主将が尋ねる。





｢またあいつは...。すみません。探してきます。｣




クールダウンをやめ、立ち上がる一人の男性。

そして、胸元に日の丸が書かれているジャンパーを羽織ると居なくなった。


彼を見つけたのはその3分後。

ぴょこぴょことしたアホ毛が視界に映ったからだ。

彼は外に出て花壇に座りながら帰宅中の観客を見ていた。




｢A！｣

『郁ちゃん。』




一声掛けるとアホ毛を揺らしながら振り向いた彼。

はあーっとため息を漏らしながら幼馴染の元へ近づく“郁ちゃん”と呼ばれた男性。




｢郁ちゃん辞めろって言ってるだろ。あと、なんか着とけ。馬鹿か。｣

『うわ。』



そういいながら、彼のジャンパーを投げつけた男性。

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