みにまむ ７０ ページ30
それから、女子という女子に
少しだけでも意識してみなよ！
とか
このアクセサリーを付けるといいですわよ！
とか
とりあえずあのアホぶっ潰してくる
とか。
結構色んなことを言われたりした。
挙句の果てには、
「もー……絶対あの子たちのせいだよ……」
「峰田か切島か爆豪だな、これ……」
教室に帰ってきたら私と上鳴君しかいない環境を作られさえもした。
「こう、二人きりになるとあんまり話すことないね」
「話題っつっても全部出尽くした感あるもんなー」
「昔話はそんなに良い思い出はないし」
「途中で離ればなれになったしな」
言おうとしていることが大体同じだったことに驚いた。
私はくすっと笑ってしまったが、上鳴君はバカにすることなく一緒に笑い始めた。
それがなんだが心地よくて、ふわふわしていて。
どこか胸が弾んでいるようだ。
一体どうしたんだろう。今までこんなこと1つも無かったのに。
「あははっ、…はー！やっぱ面白いなぁ、上鳴君と話すの。」
「あっ！俺もおんなじこと思ってた！俺たち気が合うよな！」
そう言って上鳴君は私の目をしっかりと見るから、どこか恥ずかしくなってしまった。
顔に熱が集まっていく。
優しい瞳が私を捉えて、捕えている。
「え………っと、どした、上鳴君…」
どうしても声がどもる。こんなに彼と近づいたことは一度もなかった。
「……いーっや！んでもねー！ただ、最近……」
「最近？」
「んーと……そうだなぁ…」
上鳴君は気難しそうに視線をキョロキョロと迷わせる。
「え、なに！？怖いんだけど、ちょっと待って！？」
「あー……前よりも、可愛くなったなー…なんて」
ナンパするくせに、こういうところは慣れてないのかな、なんて失礼なことを考えてしまう。
だって彼の顔は林檎みたいに真っ赤っ赤なのだから。
それを言われた私も、彼に負けないくらい真っ赤な訳で。
「そ、そうかな…！！？ありがと！」
「い、いいいいやどういたしましてました！？」
「緑谷君か！！」
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年11月11日 0時
