【ＭＨＡ】朝、目が覚めたら部屋でヒーロー科が居候してたんだが Ⅱ【上鳴電気】 (ページ24)

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みにまむ　６４ページ24

「もう、君は神から見放された。」

金髪の姉さんが、いつも笑っている口をひゅっと戻して、

まるで世界に絶望したかのような目で俺に言い放った。

「この世界に神？いたら、俺はこんなにみじめな思いをしていない！！！」

「だから、君は産まれた時から世界の淵にいるって言ってるんだ」

先程まではハイテンションで耳鳴りがするほどの声で話していた姉さんが、妙に恐ろしい。

今は、むしろ自分が世界に見放されたような顔をしているのだから。

「じゃあね、さようなら。少しでも【私】に生きる価値を与えてくれてありがとう

君のお姉さんは、君のことを頼りにしていたよ。残念だったね、視界が狭くなっていたのだから」

いつの間にか姉さんは俺の首に手をまわしていた。

苦しい、苦しい、苦しい

酸素が欲しい。

俺の首がぎしぎしと音を立てている。

このまま死ぬのか。

姉さんは、才能だけでのし上がったヤツだと思っていた。

…やっぱり、少なからず努力はしていたんだ。

そう思えば、憎悪も少しずつ、消えていくような気がした。

それが俺の思いすごしだったとしても。

.

・・・・・・

ふぅ、さて。

私の仕事はこれで終わりかい？

もう一人の私は、彼の不安に気が付いていたのかもしれないね。

だから私はこの日、この時間まで生きていることが出来た。

もしも彼を殺していれば、私はいつまでも彼女の精神世界に囚われていただろう。

おっと、安心してくれ、少し気絶させただけだ。

私の記憶も、上手いこと操って彼の脳から消しされるくらいにね。

例えるなら、もう一人の私が電気君の記憶をすっぽりと忘れていたように。

自己防衛の私が消えれば、彼女は自分で問題を解決しなければいけない。

これから先、よほどショックなことが起きれば私はまた復活し、

彼女の身体を操らなければならないだろう。

そんなことがないのを願うさ。

そして、また君たちのお目にかからないようにね。

さようなら、私の成長を見守ってくれたあなた。

また会う時があれば、よろしく。

ほら、早く。

ヒーローは人助けをするのが役目なのだからね。