欲しいもの 100 ページ2
Aを病院に連れて行ってから、どれくらいの時間が経過しただろう。
……まだ、産まれない。
よく分からない注射を打たれ、はぁはぁと苦しむA。
「…龍也、ごめんね」
涙なのか汗なのか、目尻を濡らしたまま、横目で俺を見た。
「なんで謝んの」
「だって…疲れたよね、、？
今日、龍也早かったじゃん…、もういいよ」
「平気、俺体力ある方だから」
ここで"眠い"とか言って帰ったら、
何の為に昔から、遊びも仕事も徹夜でやってきたんだよ。
「何があっても最後まで付いてるから。
二人の子供だから」
グッと気合を入れ直し、全ての覚悟をした瞬間、
「はい、楽に息しててください、」
「んーー！！
……っ、」
Aの最後の一踏ん張り。
それと同時に、
「んぎゃあぁ、、」
「っ！」
まだ産まれてはいない、
だけど産まれて来ようとする真っ最中の、我が子の鳴き声がした。
言葉にならない感情か溢れ出す。
「んん、、っ」
更にいきむA。
もう、少しだ。
あと、少しの所にいる。
頼む、A、頑張って。
早く"俺の子"に会わせて。
枕元の見えない位置から立ち会ってはいるものの、きっともう身体の半分が出てきているのが確信出来る。
Aの呼吸がふわっと、抜けた瞬間、
「ほら…
元気な女の子ですよ…」
予想していたより大きな、しっかりと人間の形をした我が子が、先生によって取り上げられた。
Aのお腹に乗せられ、
「……良かったですね、」
祝福の声が上げられる。
「……」
目が離せなかった。
感動で、嬉しいのに上手く笑えなかった。
「ご主人も、おめでとうございます、」
「……ありがとうございます」
話しかけられてることに最初気付かないくらい、ただただ目が釘付けになる、我が子の姿。
やっと呼吸が落ち着いてきたAが
「…良かったぁ、
やっと会えたね、ありがとう……」
安堵と、産まれてきてくれた我が子への感謝の気持ちを漏らし、
その声でようやく俺も、夢心地の気分から現実に引き戻って。
「…A、ありがとう」
父親になったんだって、幸せを噛み締めた。
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machabon2(プロフ) - HURT COPLEXに飛べないんですけど！？なぜ？顕嵐くん〜 (2017年6月10日 22時) (
レス) id: e9d8e8e24b (このIDを非表示/違反報告)
まるこ - 最後まで素敵なお話ありがとうございました！ラブコンは出てるメンツからお話の雰囲気、全部大好きでした！HURT COMPLEXのお話がこの作者の作品を全表示から見れないのですが…未成年でもないので私だけですかね… (2017年6月10日 22時) (レス) id: 31a29c9a10 (このIDを非表示/違反報告)
ppppu(プロフ) - ラブコンのメンツが大好きでした〜。またしめちゃん夫婦美勇人夫婦顕嵐ヒロキのえる諸々…みんなに出会えますように。素敵なお話ありがとうございました。おつかれさまでした。他作品も愛読させていただいてます。 (2017年6月10日 20時) (レス) id: 25c596ee7b (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - いつも更新待ってます(笑)子供の成長とか、色々期待しています (2017年5月30日 1時) (レス) id: 976d193d9c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - この作品大好きです更新お待ちしてます (2017年5月25日 0時) (レス) id: 76c9ae34ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年5月10日 1時
