キム・ミンソク主任！ 3

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「上手く誤魔化したな。」

そう言って背中に手を回してくれる。


「…………」

ちょっと誤魔化せたと思ったけど。



「…違いますよ。もう…グダグダそんなこと言われたってさ。言っちゃったことは仕方ないでしょ？
素敵なギョンス以上に私にはミンソクさんが素敵なんだから。いいんです。」


「えらそうに…」


「今は上司じゃないもん。彼氏だもん。」

前よりも思ったことが素直に言えるようになった気がする。


「……分かった」

仕方なしって声だけど、もっとギュッてしてくれた。


主任て私にとってすっごく大きく見える人なのにな。
なんだか今なんてすっごく小さく見えて
手のひらサイズぐらいに感じる。



ほんとに。すごくすごく愛おしい。






「お前さ。」

「ん？」

「地元で出産するって言ってたよな」

「え、はい。そのつもりですけど…」


出産…？



「……こっちで産めないのか」


しばらくして出てきた言葉。


「え？！」

こっちで…？


思わず離れて顔を見上げると
真剣な表情の主任が私の目を見てる。


そういえば…
考えたことなかった。こっちで産むなんて。


「実家のほうで産んだ方がいいのも分かってるし、こんなこと言える立場じゃないのも分かってるけど…」


そう言って私の肩に顎乗せてきた主任に心臓がきゅってなる。

「遠いし」

「…うん」

「俺、仕事あるし」

「あります…ね」

「……………」

黙った主任が私から離れてしかめっ面で見てくる。

「お前は俺と離れても平気なのか？」




……………そうだ。


そうだよね。

主任とその間離ればなれなんだ。
産休入ったらすぐ帰って向こうの病院に検診行かなきゃいけない。そのまま帰ってこない。
それにこっちに戻ってくるのだって…
赤ちゃん新幹線乗せれるのっていつ…？
たぶん1ヶ月以上後になる…？


長い間…
主任と離ればなれ…


里帰り出産なんて普通のことなんだろうけど。

私、主任と何日か離れただけで会いたくなるのに…


「無理です…どうしよう…」


主任とこうなれるなんて思ってなかったし…


「俺が出来ることは全部する。仕事もなるべく早く終わらせる。」

プロポーズのときみたいに真剣な顔。


「だから…帰るなよ」


主任…

ほんとは…少し不安だけど。
真剣な顔でそう言った主任を見たら
大丈夫だって思えてくる。


うん。
主任と離れるなんてやっぱり無理なことだ。





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