距離感【稲荷崎】

（４６）笑顔 ページ47

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うぉぉぉ…って悶えてたら侑くんが吹き出した







「フハッ！！Aちゃん顔赤すぎやん！！」







ははは！！って笑ってる侑くん









___ﾄﾞｸﾝｯ








(……え)








___ﾄﾞｷ…ﾄﾞｷ…








まさかこれは









(…え、まってほんとに？私)









一目惚れ、的な









なんか、怒った顔見ることが多かった気がするから、今侑くんが笑ってるから









『…好き』







「…え？」







私の呟きが聞こえたのか、笑ってたのを止めてこっちを見る









____ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ









これだ



ぐわあああって来る感じのやつ






急に体が熱くなって、さっきまで被ってた布団で顔を隠す





『…ぁ…、ちょ、と。こっち見ないで…』





心臓が口から飛び出そう、とかそんな表現あるけど人生で今それを経験してる


心臓の音がうるさい









(この感じ知ってる)








好きな人と目が合った時








心臓が、飛び跳ねる感じ









(落ち着け落ち着け私。さっきまで普通に喋ってたじゃんか。やればできる子私。

落ち着いて、…え、まって落ち着いたところでどうすりゃいいのこれ、え、ちょっとまって)







やばいやばいと焦っていると、ガバッとシーツを取られた








ﾄﾞｷﾝｯ








顔を上げると絡まる視線







「…今、好きって言うた…？」


『…言い、ました、ね…。…うわぁちょっと待ってほんと、恥ずかしすぎる…』





侑くんも困ってるよ、きっと



手で顔を隠そうとすると両手首を掴まれて止められた。そして聞かれる







「…その好きは、ぐわぁぁって来るやつ？」



『…そ、うです』








近い近い近い



さっきまで近いのとか気にしてなかったのに





とにかく視線を外したくて顔を横に向ける







すると次の瞬間、ギシ…とベッドが軋む音が聞こえた





「Aちゃん、こっち見て」






掴まれてた手首からゆっくりと力を込められて押し倒された









「俺も好きや」








そう言った侑くんの顔も赤く火照っていた









「…俺と付きおうて欲しい、です」







ふわっと柔らかく笑う





…そんな笑顔見たら、断れるわけない









『…私で、良ければ』




「Aちゃんがええんや」









そして私に覆い被さるようにしてギューッと抱きしめた







運ばれる前に聞こえた言葉は気のせいなんかじゃなかったんだ




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