距離感【稲荷崎】

（２９）衝撃の提案 ページ30

.




危機(？)を回避出来たことにルンルンの私


お弁当も食べ終えてまた普通に喋ってたら予鈴が鳴り始めた





『わ、もう時間か』


「早いね、もっと話してたいのに」


『いつだって話せるじゃーん』


「…そうだね、うん」


『…？』






すなりんがなんか言葉に詰まったような感じがしたけれど…。まぁ気にしないでおこう





ほいじゃ戻ろっかーって立ち上がってドアノブに手をかけたとき









ふわっ…









後ろから耳を触られた








『んぎゃ！！』


「ぶっ、今の声なに…」





びっくりして女子とは思えない声を出した私


その声がツボに入ったのかまたプルプルと笑うすなりん





『急に触られたらびっくりするよ！』


「ごめんごめん、Aが耳たぶフェチだーとかいう話聞いたの今思い出してさ」


『え、そんな話したっけ…？』


「や、俺が勝手に盗み聞きしたの。廊下歩いてたら四組の教室からAの声聞こえてきたし」


『…あ！美羽と話してときかぁ…廊下まで聞こえてたとか恥ずかし…！』





あのときの会話を思い出して、かァァ…！と赤くなる頬を両手で包み込む




『耳たぶ星人とか言われないかなぁ…』


「耳たぶ星人…ネーミングセンスダサすぎ…ブフｯ」


『……』





ぼそっと言った言葉聞こえてるんだぞ！？
自分もダサいと思ってるけど！！((






はぁーやだやだっ恥ずかし！と呟きながら今度こそドアノブに手をかけようとした




すると今度はすなりんにその手を取られた








…え？取られた…？









 








「耳たぶ好きなら俺の触っていいよ」







.

（３０）触れる→←（２８）策士な君は読めない

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す