距離感【稲荷崎】

（１８）誤解と ページ19

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「ほら、こないだ角名に邪魔されたやん」


『…あぁ、うん』






来てしまったこの展開…！！
避けていた私の努力…！！！






宮くんにバレない程度に辺りを見回す
まぁ、さすがにここまでファンは来ていないみたい





…交換するだけならいいか
話す話さないかはとりあえず置いておこう





…いやまてい。



…モブって連絡先知ってるもの？






……え、どうなの？？？？？？


……ピンチ？？？









(いや、モブだとかそういうのじゃなくてそれ以前に……)








ひとつの思いが、頭の中を走った




 





『…ねぇ、宮くんって私の連絡先知ってどうするの？』


「ん？」







言ってしまった




思わず本音が漏れた

でも私の口は止めることを知らない








『いや、だって宮くんの連絡先知りたいって人、他に大勢いるし…、私なんかの知っても、えっと、その…』







自分から言い出しといて、結局言葉が詰まってしまう




私がまごまごとしていると頭上から声がした








「…自分、何言うてんの」


『っ！』






宮くんがいつもより少し、低い声を出してそういった。びっくりして顔を見上げてると不機嫌そうだった



その顔を見て、自分が言ったことに気づく





そうだ、宮くんは優しいから私に気を使って連絡先を聞いてくれたんだ。

角名くんと私が連絡取り合ってるの知って、そこにたまたま宮くんが居合わせたから



きっと、その場の流れに乗ってくれただけ──








『……あ！あの、ごめん！やっぱり私勘違いしてたっぽいね！
…宮くん気を使ってくれたんだよね。私、変なこと聞いてごめ────』






「ちゃうわ」


『いたっ』





宮くんに頭をチョップされた



…え、なんぞ？
しかも宮くん、ちゃうわって言ったよね？







どういうこった




 




わかんなくて目をぱちぱちとさせていたら、宮くんが口を開く





「何勘違いしとるんか知らんけど…。

ええか、俺は遠野さんと、その…仲良くなりたいんや。一年のときから、いつ聞こって思ってたら終わってしもたし」




『…ほ？そうだったの…？』

「…おん」







照れくさそうに頭をかいてた宮くん







 





……あーーーもう可愛いなおい！！！







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