(28)緊急事態 ページ30
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2人が去った後、なにやらひどく切迫した様子の七海が戻ってきた
「伊地知君から緊急事態の連絡がきました。直ちに移動を始めましょう」
移動しながら事情を聞けば、数時間前にここから近くで新たな呪霊が出た様子
七海に着いていくと、黒い車が止まっていて中には伊地知が待っていた
「乗ってください」と言われて中に入れば、すぐに渡されたのは任務前に配られる資料。
いつもとは違い、伊地知から見せられた資料を見て、2人にはピリついた空気が纏わりついた
『…特級』
「ええ。先程までは一級という情報でしたが、犠牲者の数から考えると特級に変態している可能性が高い。
今五条さんは別のところへ出張中、他の特級術士も出払っている状態です。
本来ならばお二人だけで受ける任務ではありませんが、今回は緊急事態です。
病院内に出現し、既に8名の死亡者が確認されています」
「病院… 廃病院ではないのですか?」
「はい、それも患者数の多い病院です。
大多数は既に避難完了していますが、中に取り残されている人が6人。いずれも生死不明で連絡が取れていません」
取り残されている6人のデータを見て頭に入れ、七海の指示でどう動くかを決める
大方の方針が決まるころには任務地に着いていた。
病院の方へと歩みを進めるが、伊地知に呼び止められて振り返った
「…今回の案件は前に1年生たちが少年院に派遣された件と少し似ています。
ですのでどうか…、お二人ともご無事で」
そう言う伊地知は、今にも泣き出しそうな表情だった。あの日あの時、虎杖を一度死なせたことを気にしているのだろう
七海はフゥ…と息を吐いてから前を向き直した
「命を第一に、私たちが出来ることをして帰ってきましょう」
『はい…!!』
七海とAは、合同任務のペアとしての回数は多い方だ
それ故に連携することはもちろん、信頼も作り上げてきた
私たちが死ぬはずがない、と お互いに信じて止まない
その気持ちを胸に、伊地知に別れを告げて病院内に2人で足を踏み入れていった
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ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時