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(21)その瞬間とは ページ23

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ガン!キィン!…と武器が擦り切れる音が響く校庭にて。



校庭で対人練習に励む1年生と2年生
この日は合同授業なのだ



現在ペアは虎杖とパンダと真希、伏黒と釘崎、狗巻とAだ





ひと足早くにいい所で区切りがついたのは、伏黒釘崎のペア

木陰の所まで行って、各々水分を取ったり汗を拭き取ったりとしていた



そこで、釘崎は伏黒を一瞥してからこう切り出した




「伏黒、あんたってAさんのこと好きなの?」

「……んだよ急に」


「今Aさんの方見てたし」

「…見てねぇよ」


「見てたわよ。
狗巻先輩見てんのかなって思ってたけど明らかに違ったし。…まさか無意識だったわけ?」





そう聞かれて思わず口を噤んだ。


狗巻とAは今、組手の練習をしていた
組手であるためその2人の距離は近い




その様子を見た釘崎が、ニヤニヤと笑う




「あんたって分かりにくいと思ってたけど、案外そうでも無いわよね」


「どういう意味だよ」


「そのままの意味よ。虎杖の話してから特にね。
てか不機嫌なの丸わかり、狗巻先輩に嫉妬してんだろ」





オラオラ〜と肘で突っついてくる釘崎を怪訝な目で見るも、主な視線の方向はAだ




「やっぱ好きなんだろ!」

「……」

「いや何とか言えや」




いつもの伏黒なら、「うるせえ」と切り捨てるだろう

けれども、自身でも思うところがあるのだ





「なあ釘崎」

「あ?なに」




釘崎は先程買ったスポーツドリンクを手に持ち、伏黒の方を振り返るが、





「"好き"になる瞬間って、いつだと思う?」





そう聞かれて、思わずそのスポーツドリンクを落とした



聞かれると予想していた質問と違って驚いたのだが、釘崎はそれを拾いながらこう答える




「人が誰かを好きになる瞬間ってそれぞれだろ。

気づいたら好きになってましたーとか言う奴もいるし、なんかのきっかけで好きになったって奴もいるんじゃねぇーの?」


「……!」




「お前も飲めよ」と投げられたもう一本のスポーツドリンクを受け取って、釘崎の言葉を頭の中で考える




「…そうか」

「は?それだけ?
このレディの代表とも言える私に貴重なアドバイス与えられたんだからもっと感謝しろ」


「うざい」

「あぁん??」


「でも、助かった」

「…ハン、始めからそう言え」




伏黒の胸の内に広がる霧が少しだけ晴れた、そんな気分になったのだった



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ほやっく(プロフ) - souさん» コメント嬉しいです〜!!読んでくださりありがとうございました!!! (2022年1月23日 10時) (レス) id: f8046942e5 (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様です!私も恵くん大好きなのでオチが恵くんでとっても嬉しかったです!! (2022年1月22日 21時) (レス) @page40 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほやっく | 作成日時:2021年3月3日 19時

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