物理的に小さな先輩の非日常【呪術廻戦】

（１０）記憶 ページ12

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▢伏黒パパ出演します。アニメ派注意(？)

ネタバレっていうネタバレは無いのでほとんど大丈夫だと思いますが、一応注意書きです。(._.)


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──これは約10年前、……いや、それ以上前の話だ






伏黒甚爾はカナダにいた

理由は単純、そこで殺しの仕事が入ったから




とある路地裏で血飛沫が舞い、男が「殺した、終わったぞ」淡々と依頼者に電話をする


それから金のやり取りをする場所を伝えられて、電話を切った





路地裏から出ると、目に付いたのは古びた公園


その真ん中にそびえ立つ大きな木の下には、なにやら上に手を伸ばしている小さな小さな女の子



甚爾はそんな子どもに興味が湧くわけが無い


通り過ぎようとしたが、




『お、お兄さん！』

「…あ"？」




女の子、つまり海外に来たばかりのAの方から声をかけたのだった


低い声にビクッと肩を震わせたものの、言葉を紡ぐ





『あ、あの、吾郎さんが木の上で、えっと…お、降りれなくなっちゃったの！

お兄さん背高いから、……その、届きますか？』





オドオドとしながらも、木の上の方を指さしてそう言った


甚爾もそちらに視線を向けると、確かに子猫が一匹、枝の方にしがみついていた




「吾郎ってのはあの猫か」


『うん…、あのね、吾郎さんは式神だから他の人見えないの！
でもお兄さん、さっき呪い祓ってたから…』


「…！」




さっき祓った、というのは、路地裏から出てきたときに目の前に降りてきた呪霊がいて、鬱陶しかったから呪具で祓っていた



その瞬間をAが見ていたのだった


甚爾は驚いたものの、ため息をついた




「めんどくせぇ、じゃあな」


『え！？……ま、まって！！
…っ私、お兄さんの怪我治せるよ！治すから吾郎さん助けて！』


「…は？」





治す、という言葉に引っかかって、歩き出そうとした歩を止める



甚爾は怪我などしていなかった。ただただ殺した奴の返り血が着いていただけだった




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