一番に愛されたい ｶﾝﾄｩｸ ページ7
「イトゥクはオレのもの！」…。最後にいつ言われたかな……。
最近カンインと２人でいれる時間が少ない気がする。メンバーにナイショの禁断の恋。それが、カンインと僕の関係…だったけど…。最初こそは、僕もカンインも、なにもかもが新鮮ですべてが楽しかった。手をつないだり、キスをしたり…。あと、夜中に会ったりもした。僕とカンインが仲がいいことはみんなが知っていたけど…、ここまでの関係とは気づかれてなかった。
２人だけで共有できるたくさんの秘密。分かち合えるのが嬉しかったし、なによりカンインに愛されていると実感できた。でも…。
いつからだろう。カンインが僕の事を避けているような気がして…。２人で部屋で会う約束をしても来てくれない。カンインの部屋に行ってみると…、いつも人影がない。どこに行ってるんだろう…。
もしかして…、浮気してる？僕に飽きちゃったの？？こんな感情を持つのに、避けられ始めてから時間はかからなかった。いつも一緒にいた人がいきなり離れたんだから当たり前か…。
今日も会う約束をした。来てくれる可能性は…、0に等しいけど。もうやだ…。僕はカンインが大好きなのに、愛してるのに…。心が押し潰されそうだよ……。涙が出てくる。カンインが恋しくて恋しくて…。もう僕にはカンイン以外考えられない。カンインがいなきゃ自分が壊れちゃう。そんな思いを募らせながら、部屋でたくさん涙をながした。もうこんなの毎日だけど…。それでもカンインを望む気持ちは止まらなかった。そんな時…、
ガチャッ
「ごめん、イトゥク。遅くなっ…、あれ、イトゥク？なんで、なんで泣いてるの？」
しばらく聞いていなかった、愛しい声が聞こえた。ウソじゃないかと思った。でも目の前にいるのは紛れもなく…、大好きな大好きなカンインだった。
「カンインっ、カンインなんでいつも来てくれないの？？僕は…、寝ないでずっとずっと待ってたのに……「ごめん……。仕事が忙しかっただけなんだ。」
僕の言葉を遮って、カンインはそう言った。僕の事を、抱きしめてくれた。それだけで…、心が溢れる。
プルルルルル…
部屋に着信音が鳴り響く。カンインの携帯の着信音だ。誰？僕のカンインなのに…。
「ごめん、ちょっと待ってて。大事な電話だから。」
そう言ってカンインは部屋を出た。大事な電話？誰から？もしかして、ホントに浮気なの？イケないことだとは分かっていた。でも僕は、確かめるためにこっそりカンインの後を付けた。
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作者名：みれいちご | 作成日時：2013年5月5日 11時
