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いつもお世話になっているタクシーが
５分ほどで着くというので宿舎を出て待っていた。
その間に何度ジスにかけても繋がらない。
・
・
ＹＮ≪ありがとうございました≫
タクシーを降りて店内に向かうと
カウンター席でパーティードレスのままの
ジスの後ろ姿があった。
ＹＮ≪…帰ってなかったのか≫
隣の席に座った。
ジス≪来てくれたんだ≫
ＹＮ≪携帯繋がらないし、ずっと待たせるわけにも
いかないだろ≫
ジス≪(笑)ホント、優しいんだから≫
ＹＮ≪それで何があったんだ≫
ジスはお酒の入っているグラスをみながら
小さく笑った。
ジス≪ユノの顔見たら忘れちゃった≫
ＹＮ≪…なんだよ、それ(呆)≫
出てきた飲み物を口にした。
ジス≪怒った？≫
ＹＮ≪いいや、怒ってない≫
ジス≪Aさん、ウンジュオンニ
知ってるのね≫
ＹＮ≪…Aがそう言ってたのか？≫
ジスの顔を見る。
ジス≪うん、そうよ。お会いしたことあるって≫
ＹＮ≪そうか…≫
ジス≪彼女強いのね、ウンジュオンニに会ったのに≫
ＹＮ≪そんなことないよ≫
Aが犠牲にしたもの、失ったものは大きい。
ジス≪…あの時はまだ若かったから≫
ＹＮ≪ん？≫
ジス≪今だったら乗り越えられたかな≫
ジスは僕をジッと見つめる。
まだ若かった僕は、ウンジュヌナの
心ない行動からジスを守ってやることが
できなかった。
ＹＮ≪…あの時に守ってやれなかったのは僕だ≫
ジス≪Aさんのことは守ってあげられたんだ≫
ＹＮ≪・・・・・≫
ジス≪う、うそだよ〜♪変なこと言ってごめん≫
僕の顔を覗き込んできたジスの頭に
無言で軽く手を乗せ、ポンッとした。
ジス≪・・・羨ましいな≫
笑顔が少しずつ小さくなって
寂しげな目で僕の顔を見つめる。
ＹＮ≪少し飲みすぎだ、ジス≫
そう言って話をはぐらかすしかなかった。
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作成日時：2012年7月5日 22時
