夏色の陽炎カゲプロ (ページ4)

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中間テストページ4

「二週間後に迫った中間テストの範囲配るぞ
みんなよく勉強するように」
そっか、中間テスト二週間後か・・・

え？
えええ？

二週間!?
え、嘘もうそんな時期！？
ヤバい。

「オワタ」
机に突っ伏すと、上からカノの声が聞こえる。
「勉強してないの?A馬鹿だからね。赤点かもよ」
「ヤバい、やばいやばいやばい！！！赤点だけは回避したい！」
「A、勉強教えましょうか?」
救世主！！
「セト様～お願いします。数学を教えてください」
ほかの教科は平均かちょっと上くらい。
ただ、数学だけは無理。
「僕も行っていい？セト」
「もちろんっす！じゃあ明日うちに来るっすよ」
「やったー」

～次の日～

適当にシャツとズボンを着て、セトのうちへと出発。

セトの家は、近くの大型アーケード街を抜けた先にある。

回り道していくルートもあるけど最短ルートはここを突っ切る。
アーケードの中には、昭和な精肉店、八百屋、魚屋なんかが立ち並ぶ。
そのどれも大体顔見知り。

特に仲がいいのは、この雰囲気に似合わないドーナツ屋だった。
夫婦で切り盛りしていて、おじさんの作るドーナツとおばさんの案は最高。
こないだもイチゴミルク味のドーナツとかメロン味のとかすっごくおいしかった。
「Aちゃん。新作出来たんだけど味見していかないかい？」

噂をすれば、ドーナツ屋！

「いいの？ありがとう」

優しく微笑むおばさんの手には出来立てのドーナツが握られている。
一見普通のチョコがかかっているドーナツ。

「いただきます」

パクリと一口。

「普通のチョコ・・・ん！？バナナだ」
「正解！生地にバナナを混ぜたのよ」

すっご。
チョコバナナの味になる！

「おばさん天才。めっちゃうまい」
「おいしいならよかったわ」
「うん！あ、もう行かなきゃじゃあね。セトたちと勉強会なの」
「まって、これ、お土産に持っていきなさい」

おばさんはそういって袋に詰めたドーナツを出した。

「え、ありがとう。それじゃあ」

走って、セトの家まで向かった。