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「A、お日さま園に……」
「いらっしゃーい！」
リュウジの音頭で始まったAの歓迎パーティは、かなり豪勢だった。机の上には数々の料理が並び、どれもが美味しそうだった。壁に吊り下げられたモールはカラフルで、一人のためにここまで盛大に祝ってくれるとは思わなくて何だか照れくさかった。
涙目でやって来た時は皆慌てていたが、晴矢の姿を見ると納得したように頷いた。「また女の子泣かせたんだ！」と言われるとバツが悪そうにし、脇のボールを戻してから手を洗いに行った。自分のせいで誰かを泣かせている自覚はあるらしいが、Aは晴矢に泣かされたわけではないので必死に弁解した。
未だ信じられていないのを見ると、余程多くの子を泣かせてきたらしい。
どこを見渡しても吉良の姿が見えず、隣に座っていた玲名に尋ねた。Aの隣に座れて嬉しいようで、頬に唐揚げを詰め込みながら笑っている。
「ねぇ、パパはいないの？」
「パパ？ あぁ、そうだよ。お仕事が忙しいんだって」
財閥の会長を務める吉良は多忙のようで、園にいることは極めて少ない。新しく子が入った際は顔を出すようにしているらしいが、月に一回程度なのだそうだ。
吉良がいなくとも、お日さま園には多くの従業員がいる。机に並べられた料理を作ってくれたカウンターのおばさんや、その他にも清掃院のおじさんが働いている。全員子供を愛している大人なので、安心して子供たちを任せられるのだ。
大きな皿のナポリタンをトングで掴み、小皿に取り分ける。用意されていたフォークで巻いて、口に入れた。途端に口に広がるケチャップの味に、思わず舌鼓を打つ。もぐもぐと一心不乱にナポリタンを食べるAにヒロトが話しかける。
「上手いんだね、巻くの」
「ここに来る前にも、よく食べてたの。あたしナポリタン好きなんだ！」
口にソースをつけて無邪気に笑うAに、「そっか」と優しく微笑んだ。年相応の姿を見せるAが面白くて、あえて口の汚れは指摘しないでおいたが、手にコップを持ったリュウジが「あれ」と口を指さした。
「A、口すごい汚れてるよ？」
机の端からウェットティッシュを取り出し、Aの肩に手を置いて優しく拭いた。Aは状況を理解していないようで、人形のようにして口を拭かれている。
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
