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「峰宮A、だっけ。君は本当にこいつに泣かされてないのか？」
晴矢の次に向けられる視線に思わず息を飲んだが、こくりと頷く。晴矢が来るより前に泣いていたのは真実だが、晴矢のせいで余計に泣いてしまったことは言わないでおいた。二人の相性はあまり良くなさそうで、晴矢は先程からずっと顔を顰めている。
大方、白髪の少年は晴矢にお節介を焼きたがるのだろう。晴矢の言うことが本当だと知った少年は、彼を許してこの場を後にするのかと思ったが、腕を組みお説教を始めた。
「何回も言うが、新しく入ってきた子にもう少し優しくできないのか」
「だーかーら！ 俺は泣かせてねぇんだって！ こいつもそう言ってんだろ」
親指でまだ鼻をすするAをさすが、少年は見向きもせず畳み掛けるように語り続ける。少年の話し方は大人びていて、後にAと同い年だと知るが到底そうは思えない。
「今回だけに限った話じゃないだろう。先月やって来た、自分よりはるかに年下の女の子にも……呆れるよ」
「あーもううっせぇ！ 風介黙ってろ！」
高いソプラノの声を持つ少年は風介という名前で、犬のように吠える晴矢をものともしない。精神年齢が高いのだろう。ひとしきり晴矢が言いたいことを言い終えると、用件を思い出したようにAへ顔を向ける。
「そろそろ君の歓迎パーティが始まるんだ。主役がいなくてはつまらないからね」
「呼びに来てくれたの？」
「その言い方じゃ、別に俺はいなくてもいいみたいじゃねーか」
「……？ だって、晴矢のために開かれるパーティじゃないし」
「んだと！？」
ワーワーギャーギャーと喚く晴矢に、Aは人差し指で耳を塞いだ。晴矢と風介の二人は、近付けさせてはいけないコンビなのかもしれない。Aが耳を塞いでいる傍でも早速言い合いを始めている。
「というか君、手は洗った？ 泥だらけのボールは室内に持ち込むな」
「ボールを片付けて洗いに行くとこだったんだよ！ そうしたら、こいつが泣いてて……」
「うるさいな、黙るべきなのは晴矢じゃないか？」
喚く晴矢と、冷たくあしらう風介。遠巻きに見ている分には面白いが、こうも隣で喧嘩されてはたまったものではない。先頭を歩く二人の口喧嘩を一種のBGMと捉え、皆の待つパーティ会場へと向かった。
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
