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吉良と研崎にとって、Aは邪魔な存在だった。他の子供より気が強く、どれだけ惑わされても自分の考えを貫き通す姿勢は、いずれエイリア学園を裏切ると恐れられていたのだ。当たりが強くオマケにサッカーが下手くそな少女に石を渡しても、無駄でしかない。
別にエイリア石が欲しかったかと言われればそうではない。あんな得体の知れない石に頼ったところで、それは実力ではなく偽りの力だからだ。それに、副作用も強いと聞く。人にもよるらしいが、エイリア石の力に飲み込まれれば飲み込まれるほど、副作用は薄くなるらしい。石を身につけても何の症状も出なくなった時──話を聞くだけで怖かった。
しかしながら、こちらもこちらで業務内容はほぼ無いに等しいし、ボーっと歩いていれば一日が終わる。今日はグランが共にいるから多少の暇つぶしにはなるが、一人で広い研究所を歩き回るのはかなり辛い。手持ち無沙汰の両手を組みながら、Aは壁際や床をくまなく見渡した。
「全く、ゴミなんてどこにもないっての。名前だけの意味もない仕事を押し付けてるだけじゃない」
「その割には、しっかりゴミがないか探してるよね。偉いよ、リリーヤ」
「こうでもしておけば、ちゃんと仕事してるって思われるでしょ。……意味があるわけじゃないけど」
頭に伸びてきた腕から避けるように、Aは身をよじらせる。赤い少年は残念そうに笑うが、こう避けられるのは初めてではない。そのふわふわしたバイオレットの房に触れたいと思ったのは、何度目だろう。
しばらく歩いて、Aは一つの部屋に目を向ける。
モニタールーム──この研究所には無数のカメラが仕掛けられていて、それらの管理、そして監視をするための部屋だ。いつもなら大人が一人いるはずなのだが、今日は何故か誰もいない、もぬけの殻だった。
足を踏み入れるのは初めてなのか、グランは物珍しそうに辺りを見渡した。数多い壁にかけられたモニターは、研究所のあちこちを映している。
「すごい数のモニターだ……ここで、俺たちを監視してるわけか」
「そ。……まぁ、アタシもあんま入ったことないんだけど」
部屋の最奥の一際大きなモニターには、エイリア学園の手で破壊され尽くした学校が映し出されていた。どうせ暇だし、とAはそのリアルタイムで流れる映像を見てみることにした。
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
