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Aはエイリア学園が創立されてから一段と刺々しくなり、近頃ではグランと目を合わせようともしなくなった。一人だけ研究員という名の雑用係に回されたことが癪に障ったのかは分からない。
「お日さま園に来たばかりの頃は可愛かったのになぁ」とグランが思い出話に花を咲かせようとすると、Aは分かりやすく苛立った。腰に手を当てて目を伏せる。
「で、アタシに用？ 暇じゃないんだけど」
「俺は暇だよ。今日のトレーニングまでまだ時間があるんだ」
昔からコイツは、自分のことだけを考える。吉良に特別甘やかされて育ったからに違いない。だからといって、Aにしつこく付きまとう理由にはならないのだが。「今日も見回りと掃除があるんでしょ？」と問うと、Aは驚きと恐怖で目を見開いた。
「そうだけど、なんでアンタが知ってんのよ」
「リリーヤのことは、何でも把握しておきたいからさ」
リリーヤという与えられた嘘の名前を、グランはあえて強調した。Aが宇宙人としての名を嫌っているのを知っているから。つくづく嫌な奴ねと悪態を着きそうになったが、そこをぐっと堪える。
「……あっそ。それだけ？ アタシもう行くから」
今度こそここから離れようと、長いツインテールをくるりと揺らして今日の業務に取り掛かろうとするAの腕を、グランが強く掴む。痛みは感じないが、抜け出したくても抜け出せない。
「俺も着いてくよ。良いよね？」
自分より地位が下の存在には、有無を言わさないというのか。マスターランクのキャプテンという座に君臨する己には、絶対的な力があると勘違いしているとAは感じた。
ただ、グランとAは年齢こそ同じだが、持っている権限はグランの方が遥かに多いのは事実だ。首を横に振れでもすればろくなことにならないと判断し、大人しく連れて行くことにした。
Aが星の使徒の一員であるのにも関わらず研究員として雑用を任されているのは、単純にAにサッカーの才能がなかったからだ。確かに運動神経は悪いし、サッカーのルールもよく理解していない。けれど、それはAだけに限った話じゃない。他にも同じような子供たちはいたはずだ。
それなのに、Aだけは違うのだと。研崎曰く「エイリア石が引き出せる力には限界がある」らしいが、今でもそれは違うのではないかと疑っている。
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
