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抗えるのなら、こんなことしたくなかった。決して正しいことだとは一ミリも思っていない。もしもAたちエイリア学園の子供らの行為が許されるのならば、この世の極悪人たちは罪に問われないだろう。これからの日本を率いる未来の象徴である子供たちがするようなことではない。
あの楽しかった日々は、夢？ そうは思えないが、明らかに今の状況は異常すぎる。こちらが夢であってほしいと願うくらいだ。
「貴方も研究員補佐とはいえ、一応星の使徒ですからね。感謝しているんですよ、リリーヤ」
研究員補佐と言えば聞こえはいいが、結局のところ雑用係だ。これといった仕事は特に与えられないし、ほとんどは掃除と研究所内の見回り。十四歳の少女に大掛かりな研究は任せられないというのは分かっているが、それならば解放してほしい。自分がいてもいなくてもどうせ変わらないのだから。
感謝されるようなことは一切していない。感謝とは、良い行いをした人にするものだ。自身に与えられた偽りの名を否定し、Aは首を横に振った。
「それはアタシの名前じゃありません。アタシの名前は、峰宮……」
そこまで言いかけたところで、Aの後ろから研崎を呼ぶ声がした。研究員の一人だった。白衣を羽織った若い男性は、手にカルテを持って研崎を待っている。研崎はAに「それでは」とだけ残し、男性の元へ歩んだ。
「違う……違う、アタシはリリーヤなんていう名前じゃない」
誰にも聞かれないように、ぽつりと呟いた。
研究所で働く研究員は、全員吉良の計画に賛同している。そうでなければ、こんな意味のなさない研究などしないだろう。幼い頃、共に遊んできた家族はAと違い、今はサッカーを用いて数々の学校を破壊している。FFが行われるより前に計画は進んでいたが、日本中が歓喜に包まれている中、人々が愛するサッカーで絶望させるとは、吉良はなかなかの鬼畜らしい。
しばらく拳を握りしめたまま、下を向いていた。零れそうになる涙を堪えながら、手に力を込める。丸くなったAの背中に、先程とは別の研究員が声をかけ、パッと手を離す。爪の跡ができていた。
「リリーヤ。今日も掃除と見回りをお願いできるかい？」
明るい声で手を振る彼は、Aの教育担当のような立場にいるのかどうか分からないが、いつもAに仕事を伝える。
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ありさ(プロフ) - 掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号さん» コメントありがとうございます！励みになります。最後まできっちり終わらせたいと思っておりますので、コツコツ更新していきますので…！ (5月14日 13時) (
レス) id: 8695fc1b44 (このIDを非表示/違反報告)
掛け持ち魔ﾁｮｺﾐﾙｸ ﾁｮｺﾐﾝﾄ味 2号(プロフ) - すいません…さっきのコメント見てたら忘れてください…変なこと言いました…溢れ出る文才を感じます！それに更新も凄く早くて尊敬です！ですが無理せず体調に気をつけてください！ (5月14日 12時) (レス) id: 69c0870a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ありさ | 作成日時：2023年5月6日 2時
