不治の病を患った少女の賢明な時間【暗殺教室】 (ページ40)

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８８話ページ40

『私、この教室が大好きなんです』

手話で繋ぐ本音。

『希望を知って、苦労を知って、楽しさをしって……時には絶望して……。
大好きだから、まだみんなと一緒にいたいから……』

どんなものにだってすべてを賭けます。

『だから少しだけ、待っててください。
元気になったら、また私を……』

振るえて続きが伝えられない。
涙が止まらない。
死ぬのは怖い。失うのは怖い。
でもそれは、生きていることが楽しくて、手に入れたものが大切だから。

「峰刃さん。必ず戻ってきてください。そしてまた一緒に暗殺しましょう！」

シンプルながらも優しい表情を殺せんせーは浮かべる。

「Aちゃん、絶対生きて戻ってきてね」

「私達、待ってるから」

投げかけてくれる。優しい言葉。
絶対に私、戻ってきます。
この教室に。
私の世界の中心に。

「ア゛イ゛ア゛オ゛ウ゛」

「ちなみにだけど」

この流れで！？この流れでまだ続けるんですかパパ！？

「まだ重大なリスクの話をしてないんだよ？」

「死ぬ以上に重大なリスク？」

「あぁ、そうだね。
今の娘ちゃんは昔の投薬生活の影響でほとんど薬は効かない。
だから、次の手術。
麻酔なしで受けることになる。今のうちに支えはより強固にしておくといいよ？」

分かっています。
多分、死という名の悪意が私に向いた瞬間、『正答』を無意識のうちに導いてしまっている。
でもそれはきっと、私自身が導いた答えでもあると、そう私は思います。