不治の病を患った少女の賢明な時間【暗殺教室】 (ページ32)

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８０話ページ32

「考えたことなかったのよ！自分がこんなフツーの世界で過ごせるなんて！
妹や弟みたいなこと楽しくしたり、恋愛の事で悩んだり。
そんなの違う。私の世界はそんな眩しい世界じゃない」

首輪の爆弾を投げ捨ててビッチ先生は思いの丈を吐露する。

「この世界が眩しくて普通だって？それは誤解だよ？」

雰囲気ぶち壊し。

「平和は人を殺す。そんな世界が普通なら、僕は狂人の名をありがたく頂戴するよ」

俺も含めてだけど、浅野といい、この男と言い、Aさんって神崎さん並に男運悪かったりする？

死神の指示を受けて、ビッチ先生は烏間先生の後を追った。
此処まで来て何もしないこの男の同行が気になるけど、こっちも速く何とかしないと。
さっきの異常さとは別の異常さが勃発し始めた。
発作だ。しかも命に関わるレベルの。

「殺せんせーだったかな？紛いにも娘ちゃんの教師を名乗るならお願いがあるんだけど？」

「はいお父さん」

「君を子供にもった覚えはないよ？」

それ社交辞令だから。冗談の通じなさそうな人だな。

「ここに娘ちゃん専用の薬がある。僕がこの上のコントロール奪ってくるまでに、延命しといてね。
マッハ２０のストーカー紛いの教師ならこの意味、分かるよね？」

スーツケースを檻の間からこっちへ渡して、あの人もビッチ先生のあとを追った。
よくわかんない。
でもあれがきっとあの人の才能。
あやふやで有耶無耶の達人。

そこからあのタコと薬のおかげで、死神が天井を爆発するころには、脈が安定してきた。