７８話 ページ30
「成程……君が」
何かを納得したように死神は距離をとった。
「あれが……Aちゃんのお父さん……」
(((((似てねえ！！)))))
浅野親子といい、遺伝子どっからもらってきてんのあの子！？
似てるのは真顔と髪の色だけとか、今度Aさんに母親の写真見せてもらおう。うんそうしよう。
「『人魚(マーメイド)』なら知ってるかもしれないけど、今仕事中なんだ。
邪魔するなら殺すよ」
「ご愁傷様。僕もお医者様と父親って言う地球を救うよりも大事な仕事をしてるところなんだよ？
だから、『死神』。娘ちゃんを返してもらおうか？」
どちらも好青年の雰囲気でにこやかに笑うのに、ここまで殺気で満たされた空気はない。
そしてふと、モニターに目が言った。
「ねーえ、死神さーん。モニター見てみ、アンタの計算違いがもう二つ。出たみたいだよ」
「……何故わかった？」
烏間先生と、何アレ。でかい犬の着ぐるみ着た殺せんせー？
「まいったな。どうしようか」
「行って来ればいいじゃないかい？ 僕は娘ちゃんさえ返してもらえれば他に手出しするつもりはない。君が手出しをしない限りはね」
何なんだよあの人……。
マジで言ってんの？
「仕方ない。今回はそれを信じるとしよう。イリーナ。プラン１６だ」
「いいの？」
「どうせ何もできはしないさ」
余裕ぶった死神の顔。
二人は上へと向かった。
「さて、どうしたモノかな」
「ねぇ、あなた。本当にAちゃんのお父さんなの？」
「うん、そうだよ」
「Aちゃん……さっきから様子がおかしいの。一体どうして……」
「はぁ。まったく、義弟くんたちは余計なことをしてくれたな」
それって理事長の事？
っていうかその呼び方……間違いなくAさんの親だな。
「にゅにゃあ！」
上から黄色いタコが降ってきた。
いつの間にか決着ついてたんだ。
「気に入ってくれたかな殺せんせー？ 君が最後を迎える場所だ」
少しして、死神たちがやってきた。
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