６８話 ページ20
「なにせ、このありさまだ」
ボロボロに敗れたジャージを見せる。
「ハードになる訓練と暗殺に、もはや学校のジャージの強度では耐えられん。ボロボロになれば親御さんにも怪しまれるし、第一君らの安全を護れない。
防衛相(くに)からのプレゼントだ。今日を境に君たちは、心も身体もまた一つ強くなる。
今日から体育はそれを着て行うものとする。先に言っておくぞそれより強い体育着は地球上に存在しない」
学校のジャージより軽くて動きやすいです。
色んな耐性に優れていて、迷彩効果もあって。
高いところからグリルに堕ちたり、死角から襲撃したり、危険な暗殺も無傷で実行できると言うわけですね。
「な、何ですか今日は！ 息つく暇もない！」
彫刻を壊された殺せんせーは涙ながらに訴えます。
「せっかくの新装備、手の内をさらすのはやめとけと言ったんだがな。彼らがお前に見せたかったそうだ。
新しい「服(ちから)」の使い方を」
「教えの答えは暗殺で返す。それが此処の流儀だからな」
「怒られた後だしね。真面目に殺しで答えなきゃ」
「約束するよ殺せんせー。私達のこの『力』は誰かを護る目的以外で使わないって」
殺せんせーはどこか満足そうな笑顔を浮かべます。
「満点の答えです。明日からは通常授業に戻りますよ」
はーい。
下校途中。
「すげえプレゼントもらったな。ああいうのはテンション上がるな。男子としては！」
「女子のはね、私がデザイン案を出したのよ」
「ビッチ先生」
「カラスマの奴、男女同じ服にしようとしてたからさ、「女子はもっと体のラインをだしなさい」って」
「可愛いけど防御力落ちたね」
「案��とかナメとんのか」
桃花さんは美人ですね〜。何着ても似合いそうで羨ましいです。
「あいつ本当女心わかってないから。結局私にはプレゼントもくれなかったし」
？？
「あのタコでさえわかってたのに！ あー思い出したら腹立ってきた！」
すたすたと言ってしまいました。
「烏間先生がビッチ先生にプレゼントする理由あるか？」
「さぁ……？」
「……あ、思い出した。四日前の１０月１０日、ビッチ先生の誕生日だ！」
そうだったんですか！？
ビッチ先生一体いくつなんでしょう。
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