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恥ずかしさのあまり、置いてあったカクテルを一気に飲み干した。



兎「…そーだよ!!熊谷も裏道さんもAちゃんと仲良くしてるのに俺が近づくとすっっごくガードされるじゃん!?まともに話もできないじゃん!?」

さっきからずっとニヤニヤとしている猫田はささっと2杯目のカクテルを出しきた。アイツが分かってやっていると気付いたらもうやけくそで、2杯目も思いっきり飲み干した。

兎「俺だって沢山話したいし、頭撫でたりしたいのに!!何で俺だけーー!?」

思っていた事をわーっと全部ぶちまけてカウンターに突っ伏した。身体にいきなりアルコールを入れたから頭がふわふわする。猫田にもう一杯カクテルを頼もうかと頭を上げた時、Aちゃんが俺の頭を撫でていた。

『えっと…ごめんね?仲間外れにしているつもりは無かったんだけど、裏道さんと熊谷くんの圧が強くてついそのままになっちゃって…。』

兎「……。」

『今度から私が声をかけるから、今日みたいに沢山話をしてくれないかな?』

兎「…約束だかんな。」

『うん!ありがとう!』

頭を撫でられるなんて何年振りだろう?こんなに落ち着くもんだっけか。…あれ?これ立場から逆じゃね?ホントなら俺が…Aちゃんの…………ダメだ…眠ぃ…

『あれ、兎原くん?』

猫「また見事に寝落ちたな〜!……ま、悪い奴じゃないからたまには構ってやって。」

『はい、勿論です。』

そう言って柔らかく笑う姿を見た猫田は、なるほどねーと呟いた。

猫「Aちゃんは素直で擦れてないからコイツらも気に入るのかもね。……俺みたいな奴にとっては恰好の的だから、気をつけるんだよ。」

『??…猫田さんみたいな人?』

不思議そうに首を傾げるとさらりと髪が流れる。猫田から見ても目を引く容姿なのに、自分に向けられる好意には鈍感で誰でも信じる性格なら、からかいたくなっても仕方ないだろう。

猫「……うん。そんなに無防備で大丈夫?」

Aの手を取ると、するりと撫でる。
くすぐったさと驚きで肩がびくっと跳ねるのを見て猫田は満足そうに微笑む。

猫「ふふっ、男に易々と手を握らせたりしちゃダメだよ?」

『猫田さんが私をからかっているだけでは…?』

カランッ!!!

ドアが先程より勢いよく開く音が店内に響いた。また誰か来たのかと入り口の方へ目を向けた猫田が固まった。

裏「よう、猫田。」

猫「あ、裏道さん。お疲れ様…です。」

『裏道さん!?』

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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