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『兎原くん珍しく静かだね?』

兎「そ、そう?いつもと変わんねーよ?まぁ俺大人だし?こういう場所では静かにするもんだろー?」

『ふっ…へぇーそーなんだー。』

兎「あっ!今笑ったろ!?」

猫「歓談中お邪魔しますよ〜。はい、Aちゃん。ジンフィズね。」

『ありがとうございます。うわ、綺麗!』

猫「兎原はシャンディガフな。」

兎「サンキュ。」

猫「じゃあAちゃん初来店という事で」

兎「何でお前も乾杯しようとしてんだよ。」

猫「あれ〜?そんなに冷たくされちゃうと裏道さんに…」

兎「待って待って!!居て良いから!居てください!!」

隣でくすくすと笑い声が聞こえる。くっそ…カッコいい俺で居たかったのに!!

『じゃあ3人で。』

『「「乾杯。」」』

チン、とグラスが鳴ってそれぞれ飲み始める。癪だけどやっぱこの酒美味いよな。

猫「うーん、仕事中のビールは美味いねぇ。」

『このジンフィズ?飲みやすくて美味しいです!』

猫「そっか。気に入って貰えたなら良かった。」

ニコリと笑う猫田は、ムカつくがイケメンの部類だ。こいつの中身知らねー女子がまた群がるんだよな。

猫「今更だけど初めまして。俺は猫田又彦です。兎原と同じ大学で同い年だよ。」

『走井Aといいます。兎原くんと同じ会社に勤めていて、現在はADやってます。』

兎「Aちゃんってスッゲーんだぜ?読み聞かせの『お空のお姉さん』やってんだけど、アーカイブ見ると再生回数がめっちゃヤバいからな。」

猫「『お空のお姉さん』って…"みんなのおはなし"の事かな?」

『はい、ご存知なんですね…?なんというか珍しいと思っちゃいました。』

兎「だってコイツ子供いるし。」

『え?子供!?』

猫「うん、2人〜。すっごく可愛いよ〜!」

『ええっ!?2人って…パパさんなんですか!?』

兎「バツ2だけどなー。」

Aちゃんは固まると、俺と猫田を交互に見ながら頭を抱えてた。

『待って…情報過多になる…。』

猫「あははは!まぁ普通はそうなるよねー!」

「すみませーん、注文いいですかぁー?」

猫「はーい!じゃ、ちょっと行ってくるね。すぐ戻るから。」

猫田はAちゃんの頭をぽんぽんと撫でると、別の客の所へ行った。こっちを見てる視線が痛い痛い。…多分猫田狙いなんだろーなぁ。

『兎原くん…。』

兎「どーしたん?」

真剣な顔をしながらじっと見られると、何を言われるのかつい身構えちまう。

◾️2023.10.17一部修正

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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