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高「本日、午後から彩色と皆様へ「ご挨拶」に伺う予定になっています。」

裏「!」

高「その後も、彩色はママンとトゥギャザーの所へ顔を出すと思います。」

裏「…止められなかったんですか?」

高「そうしたいのは山々なんですが、彩色の父親が僕の上司なんです。彼女には難しいと話はしたのですが聞き入れて貰えず…。」

裏「そうなんですね…。」

権力というものは実に厄介だ。
特に「会社」という縛りにおいては尚の事、その力が良くも悪くも発揮される。

高「そこで、勝手とは承知の上ですが走井のフォローをお願いしたいのです。」

ばっ、と高見野は立ち上がると深々と頭を下げる。

裏「た、高見野さん!?頭を上げてください!」

高「…きっとAは無茶をする。それ止めたいという()個人の気持ちとあなた方にも無理をさせる事を分かった上でのお願いなんです…!」

裏(この人はそこまでしてAさんの事を大事に思っているのか…)

高見野の姿を見て裏道の胸の中に、もやっとした感情と助けたいという気持ちが生まれる。

裏「高見野さん、俺達で良ければ勿論フォローします。ですから顔を上げてください。」

高「…ありがとう、ございます。」

ゆっくり裏道を見た表情は眉間に皺を寄せ、悔しそうな気持ちを滲ませていた。ふと何かに気づいたように高見野は持ってきていた紙袋から、ボールペンを何本か取り出す。

高「フォローのやり方は皆様に任せます。その方がきっとAも納得できるでしょうから。…それと、これ(・・)使って下さい。」

裏道にボールペンを手渡す時、高見野はこそりと耳打ちした。

裏「……!それは、」

高「きっと、役に立つはずですから。」

そう言う高見野の顔はにやりと笑みを浮かべた。


———裏道回想終了。

※兎原sideへ戻る

兎「……なんかそれって…」

熊「上手く乗せられてませんか?」

裏「まぁ…半分はそんな感じだな。」

池「ですが、Aさんが嫌がらせを受けてる可能性はあるって事ですよね?」

裏「ああ。」

詩「なら協力するわよ!乗せられようがなんだろうがAちゃんが悲しむのは避けるべきよ!」

バンッと机を叩きながら声を上げる姉さん。

熊「その高見野って人は他に何か言ってないんですか。」

裏「…あまり仲良くしないよう(・・・・・・・・・)気をつけて欲しいって。」

詩「…あー、成程ね。」

兎「えっ!?何?どゆこと?」

2024.1.8…一部修正
2024.4.7…一部加筆

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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