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兎「…っと、」


また騒いで熊谷が聞きつけたりしたら、今度こそ2人でなんて行けない!さっさと用意して…

兎「……一応、シャワー浴びて行くか。」

前に裏道さんから言われてるもんな。
Aちゃんに汗臭いとかって思われたく無いし。

俺はバラバラに置いてあった服を急いでかき集めて、早足でシャワー室に向かった。


ーーーー30分後

兎「やっべぇ!時間ギリギリだっ!!」

バタバタと会社の入り口から出ると、スマホから着信音が鳴る。

兎「もっ、もしもし!?」

《もしもし兎原くん?もしかして今会社出た?》

兎「ごめん!準備してたら遅くなっちまって…!」

《慌てなくて大丈夫だよ!走って来てるの見えてるし。》

兎「え?」

顔を上げると、先の方に手を振るAちゃんの姿が見えた。さらに走る速度を上げて急いでその場所まで向かう。

『走らなくても大丈夫だったのに。』

兎「いや…待たすつもりは無かったし…。」

『私もさっき出たばかりだから気にしないで。急かしちゃってごめんね?』

そう言って俺を見上げてながら笑う姿はやっぱり可愛いなってしみじみ思った。走った甲斐があったわ。

兎「俺は平気だからさ、早く行こーぜ。」

ここに居たらいつ誰が見てるか分かんねーしさっさと移動した方が安全だ。俺はAちゃんと今日の収録の話とかしながら猫田の店に向かった。


****

ドアを開けると、来店を知らせるベルがカランと鳴った。

猫「いらっしゃ…お、兎原じゃん。」

兎「よう!2人良いかー?」

猫「問題無いよ。…という事はもしや…」

『こんばんは、初めまして…。』

猫「やぁいらっしゃい!噂はかねがね。ほらそこに立ってないで座って?」

『お邪魔します。』

空いていたカウンターの席に並んで座るとやっとひと息つけた気がした。やっとここまで来れたなぁ〜…。

兎「俺前に飲んだビールのやつな!Aちゃんは何にする?」

『カクテルとか詳しく無いんだけど…度数弱めのありますか?』

猫「甘いのとかさっぱりしたのとか好みを言ってくれれば合わせて作るよ〜。」

『そしたら…アルコール度数弱めのさっぱりしたカクテルをお願いします。それと、何かおつまみがあったらそれもお願いしたいです。』

猫「は〜い。準備するから待っててねぇ。」

猫田が酒を作りに行った後、少しの間が出来た。……そういえば俺Aちゃんと仕事以外で2人っきりって初めてじゃね?…ヤベ、何話そう…。さっきまで普通だったんだけどなぁ。

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作者名:水無月(みなづき) | 作成日時:2023年10月14日 12時

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